めさまし草(読み)メサマシグサ

デジタル大辞泉 「めさまし草」の意味・読み・例文・類語

めさましぐさ【めさまし草】

文芸雑誌。明治29年(1896)1月創刊、明治35年(1902)2月廃刊。「しがらみ草紙」の後継誌で、森鴎外幸田露伴斎藤緑雨らの文芸評論を主としたもの。

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改訂新版 世界大百科事典 「めさまし草」の意味・わかりやすい解説

めさまし草 (めさましぐさ)

明治期の文芸雑誌。1896年1月創刊,1902年2月終刊。全56冊。37号から《目不酔草》と表記。森鷗外の編集,めさまし社発行で,《しからみ草紙》の後身の位置を占める。斎藤緑雨,幸田露伴,鷗外の合評三人冗語〉,これに依田(よだ)学海,饗庭篁村(あえばこうそん),尾崎紅葉が加わった〈雲中語(うんちゆうご)〉は同時代批評の白眉とされる。竹柏園(ちくはくえん)系の短歌,正岡子規一門の俳句森槐南(もりかいなん),野口寧斎(ねいさい)の漢詩など韻文にも力を傾け,三木竹二の劇評とともに注目された。終刊は鷗外の小倉への転任によるものだが,《芸苑》(上田敏編集)を経て,《芸文》で再興され,さらに《万年艸(まんねんぐさ)》に引き継がれた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「めさまし草」の意味・わかりやすい解説

めさまし草
めさましぐさ

文芸雑誌。『目不酔草』とも書く。 1896年1月~1902年2月。 56冊。森鴎外主宰。『しがらみ草紙』が鴎外の日清戦争参加のため休刊となっていたので,その後身として鴎外の帰国後発刊されたもの。『即興詩人』の続編など鴎外の作品を中心に,小金井喜美子,幸田露伴,落合直文,斎藤緑雨,尾崎紅葉ら当時一流の文学者を集め,特に鴎外,緑雨,露伴による『三人冗語』 (のち『雲中語』) は最も権威ある創作合評と目された。

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世界大百科事典(旧版)内のめさまし草の言及

【三人冗語】より

…森鷗外主宰の雑誌《めさまし草》第3~7号(1896年3月~7月)において,鷗外,幸田露伴,斎藤緑雨の3人が行った作品合評。〈頭取(とうどり)〉(鷗外)による作品紹介に続いて,〈ひいき〉〈さし出〉などの変名の人物が批評する形式をとる,最初の匿名座談会形式の文芸時評。…

※「めさまし草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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