精選版 日本国語大辞典 「森槐南」の意味・読み・例文・類語
もり‐かいなん【森槐南】
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漢詩人。名古屋の生れ。森春濤(しゆんとう)の末子。名は公泰,字は大来,通称泰二郎,号は槐南。14歳のとき父に従って上京し,鷲津毅堂,三島中洲らに就いて漢学を修めた。1881年太政官に出仕し,以後,図書寮編集官,式部官等を歴任,晩年には東京帝大文科大学講師を兼ねた。博識で能吏の風があり,終始伊藤博文の後援をうけた。大沼枕山,春濤なきあとの詩壇再興に尽くし,90年に結成された詩社星社の盟主に推された。94年星社解散後は雑誌《新詩綜》《随鷗集》を刊行。詩は呉梅村・王漁洋の蒼涼神韻の趣と,陳碧城・郭頻伽らの艶体とを兼備し,父春濤とともに明治における清詩極盛時代を築いた。おもな著書に《槐南集》《作詩法講話》などがある。
執筆者:村山 吉広
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
(揖斐高)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…漢詩ではまず小野湖山,岡本黄石,大沼枕山(ちんざん)らが現れ,陸游,蘇東坡(蘇軾(そしよく)),黄山谷(黄庭堅)らの宋詩を重んじて詩壇を指導した。ついで現れた森春濤(しゆんとう)・森槐南(かいなん)父子は婦女子の恋愛の感情を詠んだ香奩(こうれん)体の詩や,袁枚(えんばい),趙翼,張船山(張問陶),王漁洋(王士禎)らの清詩をさかんに鼓吹し,本田種竹らとともに明治詩壇(ことに後期)における清詩の流行をもたらした。槐南の門からは野口寧斎が出て詩名をうたわれたが,当時これらの人々と独立して活躍していたのが成島柳北,長三洲らである。…
…藩学養賢堂に学んだのち上京し,1889年新聞《日本》の創刊に加わり時事を風刺する〈評林〉詩欄を担当して注目を集め,同紙廃刊後は《日本及日本人》に拠ってこの欄を続けた。90年9月,本田種竹らと森槐南を盟主とする詩社星社を復興し漢詩人としての地位を確立したが,種竹・槐南らの没後は大正・昭和にかけての漢詩壇の中心となった。《大正詩文》《斯文》に寄稿したほか《昭和詩文》を主宰し,1937年には芸術院会員に選ばれた。…
※「森槐南」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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