改訂新版 世界大百科事典 「メバチ」の意味・わかりやすい解説
メバチ (目撥)
bigeye tuna
Thunnus obesus
スズキ目サバ科の海産魚。眼がぱっちり大きなことに由来した名称。英名も同様。略してバチともいわれ,また小型魚は魚体が丸いのでダルマともいわれる。全世界の熱帯から温帯に分布し,マグロ類中もっとも沖合性が強い。体長(尾叉長)2m,体重200kgに達する。成体は肥満型で,頭と眼が相対的に大きいことが特徴。太平洋では魚群分布の中心は東部に偏在し,また季節的には南北方向に産卵・索餌回遊を行う。性成熟は2歳の後期,体長100cmほどから始まる。成熟魚は低緯度地方に出現し,産卵期は北半球では2~5月,南半球では1~3月が盛期。1腹の産卵数は200万~600万粒。1歳で44cm,2歳で76cm,3歳で102cm,5歳で140cm,10歳で188cmになる。大型魚は雄が多い。日本ではおもにはえなわ漁業で漁獲され,マグロ中もっとも多獲される。中トロとして刺身やすし種にされる。
→マグロ
執筆者:谷内 透
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報