モロラン盛岡藩陣屋跡(読み)もろらんもりおかはんじんやあと

日本歴史地名大系 「モロラン盛岡藩陣屋跡」の解説

モロラン盛岡藩陣屋跡
もろらんもりおかはんじんやあと

[現在地名]室蘭市陣屋町二丁目・崎守町

近世末期に現室蘭市の北西部に置かれていた盛岡(南部藩)の出張陣屋。陣屋町二丁目の出張陣屋跡と崎守さきもり町の台場(陣屋砲台)跡からなり、「東蝦夷地南部藩陣屋跡 モロラン陣屋跡」として国指定史跡。一八五三年(嘉永六年)七月にロシア使節プチャーチンが和親通商を求めて長崎に来航、九月にはロシア兵が北蝦夷地(樺太)のクシュンコタン(久春古丹)上陸・占拠したことで、蝦夷地の警備を固める必要があった。こうした折にペリー艦隊の来航の結果として箱館が開港されることになり、蝦夷地の再直轄地化が論議された。

幕府は一八五四年六月に箱館奉行を設置し、翌年(安政二年)二月松前藩に東在は木古内きこない(現木古内町)以北、西在は乙部おとべ(現乙部町)以北の東西蝦夷地を上知させ、箱館奉行の管轄とした。同年四月仙台藩・秋田藩・盛岡藩・弘前藩松前藩に出陣を命じ、盛岡藩は老中阿部正弘より箱館表の警衛および恵山えさん岬からホロベツ間の海岸警備を命ぜられ、箱館に元陣屋、モロランに出張陣屋、砂原さわら(現砂原町)ヲシャマンベ(現長万部町)に屯所を置くこととされた。盛岡藩は表目付勘定奉行などを蝦夷地に派遣し、陣屋設置地の検分を開始した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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