ユカギール族(読み)ユカギールぞく(英語表記)Yukaghir

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ユカギール族」の意味・わかりやすい解説

ユカギール族
ユカギールぞく
Yukaghir

シベリア北東部の北極海寄りに住む少数民族。人口約 1000。新石器時代からレナ川東方のツンドラ,低木地帯に住んでいたと思われるが,現在は周辺のツングース族ヤクート族に圧迫され,おもにコルイマ川上流域に居住。言語は古シベリア諸語に属し,いわゆるバイカル・モンゴロイドに類似した形質的特徴をもつ。本来の生業は季節的に移動する狩猟,漁労であったと思われる。長老の率いる氏族制で,シャーマンが狩猟祭などを司り,妻方居住婚が行われていたが,現在はトナカイ飼育を主とし,慣習もツングース族やロシア人との接触により変りつつある。

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