改訂新版 世界大百科事典 「ヨーク朝」の意味・わかりやすい解説
ヨーク朝 (ヨークちょう)
House of York
イギリス,中世末の王朝。1461-85年。プランタジネット朝の分枝で,ヨーク家は1385年国王エドワード3世が五男エドマンドにヨーク公爵領を与えて成立した。エドマンドの孫リチャードは1455年,ランカスター朝のヘンリー6世に対し王位継承権を主張してばら戦争を起こし,リチャードの死後,長男エドワードは61年ランカスター派を破って,エドワード4世(在位1461-83)としてヨーク朝を興した。国王は対内的には71年に離反したウォリック伯とランカスター派を壊滅させて王権を確立し,対外的には新ブルゴーニュ策をとった。国王の死後,長子エドワード5世(在位1483)が即位したが,叔父グロスター公リチャードは彼を数ヵ月で退位させ,リチャード3世(在位1483-85)と称した。しかし,85年,フランスに亡命していたランカスター家の傍系に属するリッチモンド伯ヘンリー・チューダーが攻め込み,ボズワースの戦でリチャード3世を敗死させ,ヘンリー7世としてチューダー朝を興した。ヘンリー7世はエドワード4世の娘エリザベスと結婚したため,ここにランカスター家とヨーク家の和解が成った。
執筆者:城戸 毅
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報