ライター症候群(読み)ライターしょうこうぐん(その他表記)Reiter's syndrome

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ライター症候群」の意味・わかりやすい解説

ライター症候群
ライターしょうこうぐん
Reiter's syndrome

1916年に,H.ライターが初めて報告した症候群で,関節炎尿道炎結膜炎を3主徴とする。その後,連環状亀頭炎と膿漏性角化症が主徴に加えられている。病因としては,マイコプラズマウイルスの感染説,淋菌または赤痢菌に対するアレルギー反応説,自己免疫説などが考えられているが,明確なことは分かっていない。関節炎は,多発性で非対称的に生じる傾向があり,特に膝や足や腰の関節が侵されやすい。膿漏性角化症は痛みのない硬い膿疱 (のうほう) で,手のひらと足の裏に多く現れるが,そのほかにも見られ,膿疱性乾癬 (かんせん) と区別しがたい場合もある。定型的な場合は,6週から6ヵ月で跡を残さずに完全に治るが,再発を見ることも多い。

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家庭医学館 「ライター症候群」の解説

らいたーしょうこうぐん【ライター症候群】

 淋菌性尿道炎(りんきんせいにょうどうえん)に症状の似ている病気で、尿道炎と同時か、前後して関節炎(非対称性で複数)と結膜炎(けつまくえん)がおこります。原因は不明ですが、ヒ素剤サルファ剤が効くことがあることから、スピロヘータやウイルス感染が発症にかかわっているのではないかと考えられています。
 淋菌性尿道炎に有効なペニシリンは効きません。

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世界大百科事典(旧版)内のライター症候群の言及

【リウマチ】より

…また慢性関節リウマチは,他のリウマチ性疾患を併発することがあり(重複症候群overlapping syndromeという),さらに他臓器の病変を伴うことがある。すなわち,外分泌腺の機能不全(シェーグレン症候群),漿膜炎(ライター症候群),顆粒球減少,肝脾腫(フェルティ症候群)などを併発することがある。(3)検査と治療 炎症反応(CRP陽性,血沈亢進,補体価変化など)が活動期にあり,活動性が抑えられると正常化してくる。…

※「ライター症候群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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