(1)Kimberly AW, Stuart MB, et al. Emerging antimicrobial resistance in Neisseria Gonorrhorar: Urgent need to strengthen prevention strategies. Ann Intern Med. 2008; 148: 606-613.
(2)岸本寿男, 岡慎一, 他. 性感染症 診断・治療ガイドライン 2011. 日本性感染症学会誌. 2011; 22(supp1).
出典 法研「EBM 正しい治療がわかる本」EBM 正しい治療がわかる本について 情報
尿道炎は主に男性尿道炎を意味し、その多くは
男性の尿道炎の原因は性行為による微生物感染であり、淋菌による
非淋菌性尿道炎の主要原因微生物はクラミジアで、ほぼ4~5割を占めています。これは、自覚症状が軽いクラミジア感染が、一般女性に
クラミジア以外の病原微生物としては、最近マイコプラズマ・ゲニタリウムが注目されており、これはクラミジアを除いた非淋菌性尿道炎における原因微生物の約4分の1を占めると考えられています。そのほかの原因微生物としては、ウレアプラズマ・ウレアリティクム、腟トリコモナスなどがあげられます。
淋菌性尿道炎では、ソープランド女性を感染源とする患者の頻度が低下し、逆にファッションマッサージなど主にオーラルセックスをサービスとする風俗女性からの感染者の増加が目立っています。これらの女性の咽頭に存在する淋菌が尿道に感染するものと考えられます。性風俗産業および一般女性の性に対する認識の変化が、尿道炎の感染源の変化にも影響しているものと思われます。
症状は非淋菌性尿道炎と淋菌性尿道炎とで大きく違うため、分けて説明します。
①非淋菌性尿道炎
代表的なものとしてクラミジア尿道炎があります。感染から症状発症までの潜伏期間が1~3週間と長く、比較的ゆっくり発症し、尿道痛は軽いかほとんどありません。軽い
②淋菌性尿道炎
感染から約1週間以内に急性尿道炎が発症します。外尿道口から濃厚なうみの排泄、初期尿道痛および外尿道口の発赤・
尿道炎は、病歴、臨床症状および尿道分泌物または
クラミジア尿道炎の診断はクラミジアの検出によります。クラミジア自体が細胞内に寄生するため、以前は尿道粘膜をこすり取ってクラミジアの遺伝子を検出していましたが、苦痛を伴うため、最近は初尿ないし分泌物を用いて遺伝子診断を行います。
淋菌性尿道炎は、尿道分泌物の塗抹染色標本の顕微鏡検査と、
感染症であるため、抗菌薬の投与が基本になります。クラミジアに対してはテトラサイクリン系薬、マクロライド系薬、およびニューキノロン系薬が用いられます。
日本化学療法学会標準法で測定した結果、マクロライド系のクラリスロマイシンが最も強い抗菌力を示し、次にテトラサイクリン系のミノサイクリン、ドキシサイクリンの抗菌力が強く、ニューキノロン系薬剤は同等ないしやや抗菌力が劣ります。最近、淋菌性尿道炎に対してキノロン耐性菌が増加しており、注意を要します。
前述した症状があったり、性感染症の疑いがある場合は泌尿器科を受診してください。家族など他人にうつす可能性については、風呂などで感染することはありませんが、早く治療をすることが大切です。
宮北 英司
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
微生物の感染によって生じる尿道の炎症で、男性の尿道炎は淋菌(りんきん)性尿道炎(淋疾)と非淋菌性尿道炎に大別される。非淋菌性尿道炎の原因としては、近年ウレアプラスマとクラミジアが重要視されているが、大腸菌やブドウ球菌、またトリコモナスによる尿道炎もあり、一般に性交により感染する場合が多い。
経過により急性と慢性に分けられる。急性尿道炎では排尿時(とくに排尿初期)の痛みと外尿道口からの排膿(はいのう)を主症状とし、尿道分泌物の顕微鏡検査では多数の白血球を認めるが、通常の染色法では細菌は認められない場合が多い。慢性尿道炎では排尿痛または排尿時の不快感、尿道の不快感などがみられるが、症状の程度は一般に軽く、また尿道分泌物も少量で、早朝起床時にのみ認める場合が多い。しばしば前立腺(せん)炎、ときには精巣上体炎を合併する。
治療としては、おもにウレアプラスマやクラミジアに有効なテトラサイクリン系の抗生物質が用いられるが、同時にアルコール類や刺激性食品を制限する。慢性症では比較的長期間の治療を要し、しばしば再発も認められる。トリコモナスによる尿道炎には抗原虫剤が用いられるが、同時に性交の相手方である女性に対しても治療が必要である。
このほか、淋疾の治療後、淋菌が消失したにもかかわらず尿道炎の症状や所見を呈するものを淋疾後尿道炎というが、その所見や治療法は慢性尿道炎と同様である。
女性の尿道炎は膀胱(ぼうこう)炎に合併しておこり、膀胱炎の治療後に尿道炎のみが残存する場合があり、尿所見が正常であるのに膀胱炎類似の症状が持続し、しばしば膀胱炎再発の原因となる。尿道分泌物中に白血球を証明することによって診断されるが、治療は膀胱炎に準じて行われる。
[河田幸道]
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