日本大百科全書(ニッポニカ) 「ライン諸島」の意味・わかりやすい解説
ライン諸島
らいんしょとう
Line Islands
太平洋中部、ハワイ諸島の南1500キロメートルから南南東へかけて、フランス領ポリネシアとの中間に連なるサンゴ礁の島々。ほぼ赤道の線で北ライン諸島と南ライン諸島の南北2群に分かれる。北ライン諸島はキングマン礁Kingman Reef、パルミラPalmyra島、ワシントンWashington島、ファニングFanning島、クリスマスChristmas島と赤道のすぐ南のジャービスJervis島の6島、南ライン諸島はモールデンMalden島、スターバックStarbuck島、ボストークVostok島、キャロラインCaroline島、フリントFlint島の5島からなる。陸地総面積514平方キロメートル。これらのうちキングマン礁、パルミラ島、ジャービス島はアメリカが、それ以外の北ライン諸島はイギリスが領有し、南ライン諸島は両国が共同管理していたが、1979年ギルバート諸島およびフェニックス諸島とともにキリバスとして独立し、そのライン諸島区ということになった。かつてはファニング島やフリント島にはココヤシのプランテーションが開かれた。また全島ともグアノ(燐(りん)鉱石)の産出があったが、それが採掘され尽くして無人化したものが多く、いまではパルミラ島、ファニング島、クリスマス島に少数の住民がいるほかは定住人口はきわめて少数である。
[大島襄二]