クリスマス島(読み)くりすますとう(英語表記)Christmas Island

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クリスマス島」の意味・わかりやすい解説

クリスマス島(太平洋中央部)
くりすますとう
Christmas Island

原地綴(つづ)りはKiritimati Island。太平洋中央部、ポリネシア北西部のライン諸島中にある環礁キリバス共和国に属する。人口3225(1995)。北西から南東へ長さ160キロメートル、環礁の面積606平方キロメートル、陸部244平方キロメートル。探検家クックが1777年のクリスマスをここで過ごしたことから命名。かつてグアノ(鳥糞(ちょうふん)肥料)、ココヤシ真珠貝採取で知られた。1956年から62年まで、アメリカ、イギリスの核爆発実験が行われたため、住民は一時激減したが、79年のキリバス独立後は政府の復興政策でコプラ産業や観光に力が入れられ、タラワ、ホノルルとの間に空路も開かれてホテルも建設された。また、日本が打ち上げたロケット追跡を行う、宇宙航空研究開発機構(JAXA(ジャクサ))のダウンレンジ局(クリスマス移動追跡所)が設置されており、1976年より運用されている。

[大島襄二]


クリスマス島(インド洋)
くりすますとう
Christmas Island

インド洋上、ジャワ島の南約360キロメートル、パースから約2600キロメートルにあるオーストラリア領の島。面積135平方キロメートル、人口1508(2001)。島の大部分は崖(がけ)に囲まれた台地(最高点360メートル)で、中心集落と港はフライングフィッシュ・コブFlying Fish Coveにある。主産業は燐(りん)鉱石の採取である。1888年イギリス領、1958年オーストラリア領となった。

[谷内 達]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クリスマス島」の意味・わかりやすい解説

クリスマス島
クリスマスとう
Christmas Island

インド洋東部ジャワ島の南方約 360kmにある,オーストラリアに属する島。長さ 18km,幅 8km。1615年イギリス人によって西欧社会に知られ,1643年12月25日にクリスマス島と命名された。1888年にイギリス領,1958年オーストラリア領となった。島はおもに石灰岩からなる高原状で,最高点は 361m。険しい崖が海に迫り,高温多雨で深い密林に覆われる。晩秋にアカガニの大群が,産卵のため海岸に向かって島を大移動することで知られる。リン鉱石が豊富で住民の大部分を占める中国系,マレーシア系住民がその採掘に従事していたが,1990年代初めに枯渇し,観光業に活路を見出そうとしている。面積 135km2。人口 1462(2010推計)。

クリスマス島
クリスマスとう
Christmas Atoll

別綴 Kiritimati。中部太平洋,キリバスを構成する環礁の一つ。ライン諸島に属する。周囲約 160km。北緯1°52′,西経 157°20′に位置。ライン諸島最大の環礁。 1777年クリスマス・イブに J.クックが来航し命名。 1888年イギリス領,1919年正式にギルバート・エリス諸島植民地に編入。 56~62年イギリスおよびアメリカ合衆国の核実験基地となった。 79年キリバス領。面積 243km2。人口 1000 (1992推計) 。

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