フランス領ポリネシア(読み)ふらんすりょうぽりねしあ(英語表記)Territoire de la Polynésie Française

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フランス領ポリネシア」の意味・わかりやすい解説

フランス領ポリネシア
ふらんすりょうぽりねしあ
Territoire de la Polynésie Française

南太平洋、ポリネシア中部にあるフランス海外自治体の島々ソシエテ諸島ツアモツ諸島ツブアイ諸島マルケサス諸島ガンビエル諸島など約130の島々からなる。陸地総面積4167平方キロメートル、総人口21万9521(1996)。首都はタヒチ島パペーテ肥沃(ひよく)な火山島と礁湖を取り囲むサンゴ礁島からなり、コプラ、やし油、バニラ、コーヒーなどの農産物、真珠母貝、黒真珠などの水産物に富む。タヒチ島をはじめとする史跡・景勝地に恵まれ、観光も大きな収入源となっている。タヒチ島のパペーテ空港はパリ、ホノルルロサンゼルス、シドニー、東京、オークランド(ニュージーランド)、サンティアゴ(チリ)などと結んでおり、1998年の利用者は52万8675人であった。17、18世紀からポルトガル人航海家キロスPedro Fernandes de Queiròs(1560ころ―1614)、イギリスのJ・クックらの来航が相次いだが、フランスは1842年マルケサス諸島、44年ソシエテ、ツアモツ両諸島、50年ツブアイ諸島、81年ガンビエル諸島を領有、1903年以後フランスの主権が確立した。

[大島襄二]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フランス領ポリネシア」の意味・わかりやすい解説

フランス領ポリネシア
フランスりょうポリネシア
Polynésie française

南太平洋南東部の広大な海域に散在する約 130の島々からなるフランス海外領。ソシエテ諸島(ソサエティ諸島),トゥアモトゥ諸島ガンビエ諸島マンガレバ諸島),オストラル諸島トゥブアイ諸島),マルキーズ諸島(マルケサス諸島)の五つの諸島で構成される。面積は無人島を含め約 4000km2。無人島を除くと 3265km2。1842年から順次フランス領となり,1958年に海外領。1977年部分的自治が認められた。行政中心地はタヒチ島パペーテ。住民構成はポリネシア系が約 75%,ほかはポリネシア人とヨーロッパ人との混血,中国系,ヨーロッパ系など。輸出の大部分は再輸出品であるが,それを除くとやし油バニラなどが主要輸出品である。ほかに漁業も行なわれるが,経済を支えているのはフランス政府による援助と観光である。ムルロア環礁は 1966年から 1996年まで核実験場。人口 27万2000(2011推計)。(→ポリネシア

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