ラコフスキ(その他表記)Georgi Stoikov Rakovski

改訂新版 世界大百科事典 「ラコフスキ」の意味・わかりやすい解説

ラコフスキ
Georgi Stoikov Rakovski
生没年:1821-67

ブルガリア革命家。1860年代オスマン帝国支配下のブルガリアにおいて高揚してきた民族解放運動の指導者。富裕な商家に生まれイスタンブールのギリシア語学校で学ぶ。クリミア戦争時から文筆活動を始め,60年には政治新聞《ドナウスキ・レベド》を発行して愛国的な青年たちの民族意識を刺激した。61年にブルガリア解放の手段として武装蜂起による革命を初めて打ち出した。他のバルカン諸民族の運動との連帯も考え各国に働きかけたが,失敗。その後他国への依存はあきらめた。67年,急進的な青年を集め革命組織をつくって蜂起の準備を進めたが,仕事半ばにして病死。彼の革命構想はレフスキらによって引き継がれ,76年の四月蜂起となって実現された。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラコフスキ」の意味・わかりやすい解説

ラコフスキ
Rakovski, Georgi Sava Stoikov

[生]1821.4.14. コテル
[没]1867.10.20. ブカレスト
ブルガリアの革命家,作家。裕福な地主の家に生れ,イスタンブールのギリシア系の学校で学ぶ。 1841年反オスマン帝国蜂起に失敗し,フランスに亡命クリミア戦争中の 53~54年再度蜂起を企て,逮捕。死刑執行前に逃亡。 61~62年ベオグラードに「ブルガリア軍団」を設立してセルビア政府と衝突。 66年ルーマニアに「ブルガリア最高国民委員会」を樹立祖国の武力解放を企てたが,事業なかばにして病没。作家,ジャーナリスト,歴史家としても多くの業績を残し,知識人に大きな影響を与えた。

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