リヒテンベルク図形(読み)リヒテンベルクズケイ(その他表記)Lichtenberg figures

デジタル大辞泉 「リヒテンベルク図形」の意味・読み・例文・類語

リヒテンベルク‐ずけい〔‐ヅケイ〕【リヒテンベルク図形】

絶縁体表面内部に生じる放電痕跡。18世紀にドイツの物理学者リヒテンベルクが発見樹枝状または円形パターンとなり、分岐自己相似フラクタルを示す。人が雷の直撃を受けたときにも皮膚に生じ、死因特定に用いられる。

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改訂新版 世界大百科事典 「リヒテンベルク図形」の意味・わかりやすい解説

リヒテンベルク図形 (リヒテンベルクずけい)
Lichtenberg figures

放電がはったあとの絶縁物表面に粉をかけるか,写真感材表面に直接放電したあと現像するかによって得られる図形をリヒテンベルク図形と呼ぶ。1777年ドイツの物理学者リヒテンベルクG.C.Lichtenberg(1742-99)によって発見された。当時,電気の本性は流体であると考えられており,リヒテンベルク図形は電気流体の流れたあとを示すものとして非常な注目を集めた。今日でもリヒテンベルク図形は放電研究に便利に用いられる。それは,放電は一瞬にして消失するが,リヒテンベルク図形は放電の通った跡を明りょうに残して記録するからである。色のついた粉(例えば電子コピーのトナー)をふりかけると,絶縁物表面の正帯電と負帯電の模様が色分けされて現れる。放電電極が絶縁物に対して正であるか負であるかによって,リヒテンベルク図形の形状は異なる。図はプラスチックフィルムを2枚重ねて帯電させたあと,ひきはがしたときに得られたリヒテンベルク図形であって,正図形の枝と負図形の枝とが1対1に対応しており,開いて見ると鏡像関係にあることがわかる。
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百科事典マイペディア 「リヒテンベルク図形」の意味・わかりやすい解説

リヒテンベルク図形【リヒテンベルクずけい】

写真乾板金属板にのせ,乳剤層の上に小電極をおいて金属板との間に電圧をかけ放電を起こさせ,写真を現像すると,小電極を中心とした美しい放射状の模様が現れる。これをリヒテンベルク図形といい,小電極が金属板に対し正電位のときは樹枝状,負電位のときは円形の模様になる。もとG.C.リヒテンベルクが電場をかけた絶縁体の板の上に軽い粉をまいて放電させ,粉の分布からこの図形を得たもの。今日でも放電研究に用いられている。

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