リヒテンベルク(読み)りひてんべるく(英語表記)Georg Christoph Lichtenberg

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リヒテンベルク」の意味・わかりやすい解説

リヒテンベルク
りひてんべるく
Georg Christoph Lichtenberg
(1742―1799)

ドイツの物理学者、思想家、ゲッティンゲン大学教授。ダルムシュタット近郊に生まれる。彼の物理学上の発見に、電圧を通じた電極を中心に放射状に現れる図形リヒテンベルクの図形)がある。思想家としての彼は啓蒙(けいもう)主義の後継者であり、1778年『ゲッティンゲン・ポケットカレンダー』誌の編集を引き受け、さらに1780年『ゲッティンゲン学術文芸雑誌』を刊行して、同じ町の同じ書店が刊行する『ゲッティンゲン年刊詩集』を中心としたシュトゥルム・ウント・ドラングの人々やゲーテと対立していた。当時のこの新文芸思潮は、彼にはあまりに主情的に思えたのである。生涯に二度渡英したが、ハムレットを演ずる名優ギャリックを描いた文章や、ホガースの版画を論じた浩瀚(こうかん)な書物はその成果である。生涯書き続けた「雑記帳」からの抜粋がアフォリズムとして死後出版され、メーリケニーチェ、ムシルをはじめ、多くの人々に影響を与えた。

[恒川隆男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リヒテンベルク」の意味・わかりやすい解説

リヒテンベルク
Lichtenberg, Georg Christoph

[生]1742.7.1. オーバーラムシュタット
[没]1799.2.24. ゲッティンゲン
ドイツ啓蒙主義の作家,物理学者。 1775年ゲッティンゲン大学自然科学教授。いわゆる「リヒテンベルクの図形」 (1777) の発見者。 78年から『ゲッティンゲン懐中暦』 Göttinger Taschenkalenderを発行し,多くの自然科学および哲学の論文を発表。特に風刺的な才気あふれる箴言によって,物理学者としてばかりでなく,啓蒙主義の代表者であることを遺憾なく示し感傷や「シュトゥルム・ウント・ドラング」,ラーバターの人相学を鋭く攻撃した。主著『ホガースのエッチング詳釈』 Ausführliche Erklärung der Hogarthschen Kupferstiche (94~99) 。

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