日本大百科全書(ニッポニカ) 「リボルノ」の意味・わかりやすい解説
リボルノ
りぼるの
Livorno
イタリア中部、トスカナ州リボルノ県の県都。人口14万8143(2001国勢調査速報値)。アルノ川の河口から15キロメートル南にあり、リグリア海に臨む港湾都市。もとは小さな漁村であったが、とくに16世紀後半以降メディチ家の港として整備され、大きく発展した。その後1908年にサント・ステファノ・ドックがつくられ、1924~32年に工業港が形成されて近代港としての装いが整えられた。しかし第二次世界大戦中にはきわめて深刻な被害を受けた。火力発電、化学、造船、精油の大プラントがあるほか、機械工業、ガラスや陶器の生産が行われる。フィレンツェとの間に石油パイプラインが敷設されている。漁港としても重要。大聖堂(16世紀につくられ、第二次世界大戦後再建)や、1881年創設の海軍兵学校などがある。英語名をレグホーンLeghornといい、卵用ニワトリのレグホーン種の原産地・積出し港として知られる。
[堺 憲一]