リュウノウギク(読み)りゅうのうぎく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リュウノウギク」の意味・わかりやすい解説

リュウノウギク
りゅうのうぎく / 竜脳菊
[学] Chrysanthemum makinoi Matsum. et Nakai

キク科(APG分類:キク科)の多年草。茎はやや木質化し、高さ40~80センチメートル、上部に白い短毛を密生する。葉は卵形で3中裂し、基部はくさび形で短い柄に続く。表面は短毛を散生して緑色裏面はT状毛を密生して灰白色。花期は10~11月。花は普通細長い枝先に単生する頭花で、径3~5センチメートル。舌状花白色、のちに淡紅色となるものもある。山地日当りのよい崖(がけ)や林縁に普通に生え、本州から九州に分布する。名は、茎葉竜脳に似た香りがあることによる。

[小山博滋 2022年5月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リュウノウギク」の意味・わかりやすい解説

リュウノウギク(竜脳菊)
リュウノウギク
Chrysanthemum makinoi

キク科の多年草。本州や四国の日当りのよい低山,丘稜地に生える。細長い地下茎を出し,茎は高さ 30~80cm,上方でやや分枝し,全体に白毛がある。葉はやや短い柄があり,長さ3~5cmの卵形で3つに中裂し,下面に灰白色の毛が密生する。茎,葉ともに強い芳香がある。 10~11月に,径 3cmほどの頭状花を枝先に単生する。総包片は全体にほぼ同じ長さで外側のものは線形をしている。舌状花は白色,ときに淡紅色または黄色を帯び,筒状となることもある。痩果冠毛はない。

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百科事典マイペディア 「リュウノウギク」の意味・わかりやすい解説

リュウノウギク

キク科の多年草。本州(東北地方南部以南)〜九州の日当りのよい山地にはえる。茎は高さ40〜80cm。葉はリュウノウ(竜脳)に似た芳香があり(名の由来はこれによる),卵形で浅く3裂,上面は緑色で細毛があり,下面には灰白色の密毛がある。10〜11月,枝先に白色の舌状花と黄色の筒状花からなる頭花を開く。
→関連項目キク(菊)

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改訂新版 世界大百科事典 「リュウノウギク」の意味・わかりやすい解説

リュウノウギク

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世界大百科事典(旧版)内のリュウノウギクの言及

【ハマギク(浜菊)】より

…本州(近畿地方以西),四国,九州に分布する。(4)リュウノウギクC.makinoi Matsum.et Nakai (イラスト)日当りのよい山地の崖や林縁に生える多年草。本州(福島県・新潟県以西),四国,九州(宮崎県)に分布する。…

※「リュウノウギク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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