ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リリウオカラニ」の意味・わかりやすい解説
リリウオカラニ
Liliuokalani
[没]1917.11.11. ホノルル
ハワイ王国の最後の女王(在位 1891~93)。本名 Lydia Kamakaeha。カラカウア王の妹で,ヨーロッパに遊学したのち,1891年兄のあとを継いで女王となった。「ハワイ人のためのハワイ」を主張し,アメリカ合衆国のハワイ併合政策に強く抵抗した。1887年のアメリカ=ハワイ条約などにリリウオカラニが反対したため,1893年アメリカ人のサンフォード・B.ドールらが軍事力を背景に革命を起こし,臨時政府を樹立。リリウオカラニは流血の事態を回避するためにみずから退位し,ハワイは共和国となった。その後,アメリカ大統領グローバー・クリーブランドに対し復位を要求。クリーブランド大統領はリリウオカラニの復位を認めたが,革命政府はこの指示を拒否した。1895年女王の名のもと蜂起が行なわれたが鎮圧され,リリウオカラニは逮捕された。その後,1898年のアメリカ=スペイン戦争の間にハワイ併合がなされ,独立国家としてのハワイは消滅した。1898年にリリウオカラニが作詞した歌『アロハオエ(あなたに愛を)』は,長くハワイ人に親しまれている。
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