ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルイ3世」の意味・わかりやすい解説
ルイ3世
ルイさんせい
Louis III
[没]882.8.5. サンドニ
西フランク王(在位 879~882)。881年8月,ポンテュー地方ソクールの戦いでバイキングに決定的な打撃を与え,フランスへの侵略を短期間だがくい止めることに成功した。879年父王ルイ2世の死後,880年王国の分割について弟のカルロマンとアミアンで合意し,フランシアとネウストリアを所領することになった。西フランク王国の反抗的な諸侯や東フランク王国のルイ若王らの扇動による不穏な動きをしずめるため,879年ベルダン条約および 880年リブモン条約で,西ロタリンギアの割譲を余儀なくされた。880~881年,弟カルロマンと協力して反抗的なプロバンス王ボソの抑え込みにかかるが,不首尾に終わる。この頃,異教徒のバイキングが来襲を重ね,しだいに占領地を広げていった。アミアン,アラス,カンブレーの各地をはじめ,有名なサン・ベルタン修道院やコルビー修道院が 880年から 881年にかけて,次々と敵の手に渡った。ソクールの戦いではバイキングに甚大な損害を与え,その勝利は武勲詩にうたわれ長く語り継がれた。しかし翌 882年,20歳を迎える前に,この有能で精力的な王は生涯を終えた。
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