ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルゴ」の意味・わかりやすい解説
ルゴ
Lugo, Fernando
パラグアイの政治家,元カトリック司教。大統領(在任 2008~12)。フルネーム Fernando Armindo Lugo Méndez。小学校教員を経て,1970年に神言修道会の見習い修道僧となる。1977年アスンシオンのカトリック大学で神学の学位を取得,聖職者に任じられた。以後 5年間は,南アメリカで実践された解放の神学の理論家であるリオバンバの司教レオニダス・プロアーニョに師事し,エクアドルのアンデス地方で布教活動を行なった。一時帰国したのち,1983年にローマに留学。1987年にパラグアイに戻り,1992年に神言修道会上級管区長に任命された。1994年,サンペドロ県教区司教に就任。貧しい農村地域であるサンペドロアポストルデイクアマンディユー教区で,与党コロラド党の後ろだてを得た富裕地主層を相手どって小作農を率いた農地改革運動を展開し,貧者の司教として全国に名をはせた。2005年1月,政界入りするため司教職を辞任。司教の座を辞したのは 2006年12月だが,バチカンはルゴの辞任を 2008年7月まで承認しなかった。土地の再配分,汚職根絶,新社会プログラムを通じた貧困対策などを公約に掲げ,2008年の大統領選挙でコロラド党のブランカ・オベラル候補を破って同年 8月に大統領に就任。62年にわたるコロラド党の治世が終わった。2012年6月,農民と警官隊の衝突事件をきっかけに,野党が多数派を占める議会で弾劾決議が可決され失職した。
ルゴ
Lugo
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