フランスの劇作家。作曲家を父にパリに生まれる。第一次世界大戦前から劇作に手を染めていたが認められず、戦争直後、ジョルジュ・ピトエフ一座によって上演された『時は夢なり』(1919)、『落後者の群』(1920)が大成功、異色の前衛作家として、とりわけ1920年代に活躍した。ドストエフスキーやニーチェやポーなどの影響が強く、人間の暗い陰の部分に光をあててそれをドラマ化することを得意とした。ほかに『熱風』(1920)、『夢をくらう男』(1922)、『ひそかな生活』(1929)、『城壁の家』(1943)などがある。
[渡辺 淳]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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