日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロイヤル・バレエ団」の意味・わかりやすい解説
ロイヤル・バレエ団
ろいやるばれえだん
The Royal Ballet
イギリスのバレエ団。1931年にド・バロアが創設したビッグ・ウェルズ・バレエ団が1940年にサドラーズ・ウェルズ・バレエ団Sadler's Wells Balletと改称、これを母体として1956年にエリザベス2世がロイヤル・バレエ団の名称を授けた。イギリス王立バレエ団ともいう。
最初の芸術監督(ディレクター)はド・バロアで、『眠れる森の美女』『ジゼル』『白鳥の湖』の改訂などを手がけ、新作の上演にも意欲的で、いまも残っているものに『スケートをする人々』『チェック・メイト』などがある。マルコワ、ドーリン、フォンティン、ヘルプマンRobert Helpman(1909―1986)らのダンサーがこの時期に活躍した。1963年からはアシュトンが芸術監督となり、『田園の出来事』『ベニスに死す』などの長編創作バレエを得意とし、また『エニグマ・バリエーション』などの小品も上演、フォンティンの相手役としてヌレーエフが活躍した。1970年にはマクミランが芸術監督に就任、アシュトンの路線を継承しつつ、ロビンズやクランコら外国の作品をレパートリーに加え、自身も『マノン・レスコー』『うたかたの恋』を振付け上演した。その後、芸術監督にはダウエルAnthony Dowell(1943― )、ストレトンRoss Stretton(1952―2005)らが就任し、伝統を守ると同時に新しい趣向を凝らした舞台をつくり続けている。歴代の専属振付者としてアシュトン、マクミランのほかビントリーDavid Bintley(1957― )らがいる。
[市川 雅・國吉和子]