日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヌレーエフ」の意味・わかりやすい解説
ヌレーエフ
ぬれーえふ
Рудолф Нуреев/Rudolf Nureev
(1938―1993)
ロシア出身のバレエ・ダンサー。イルクーツクに生まれる。ダッタン系のダンサーで、跳躍力に優れ、野性味もあり、ニジンスキーの再来といわれた。レニングラード(サンクト・ペテルブルグ)・バレエ学校でA・プーシキンに学んだのち、レニングラード(キーロフ)・バレエ団に所属したが、1961年パリ公演のときにオルリー空港で劇的な亡命をし、それ以来西ヨーロッパにとどまった。M・フォンティンから森下洋子まで多くのパートナーと踊り、P・テーラー、M・グレアムらのモダン・ダンス作品も踊っている。振付師としても『ドン・キホーテ』『ライモンダ』『バヤデール』など多くの改訂版を上演した。パリ・オペラ座の芸術監督を1989年まで務めた。1982年、オーストリア国籍取得。映画出演では『バレンチノ』(1977)などがある。1973年アメリカ・ダンスマガジン賞受賞。
[市川 雅・國吉和子]