改訂新版 世界大百科事典 「ローンボウルズ」の意味・わかりやすい解説
ローンボウルズ
lawn bowls
芝生(グリーンともいう)の上で標的をめがけてボールをころがす競技。ボウリングなどと同系のゲームで,起源はきわめて古く,13世紀にはイギリスで行われていたという記録が残っている。たんにボウルズということも多く,用いるボールをボウルという。グリーンは40ヤード(36.6m)四方で,周囲に深さ2インチ(5cm)の溝を設け,さらにその外側は低い壁で囲う。ゲームはシングルスから4人対4人まであり,コインなどの表裏で先攻を決める。先攻の人がまずゴム製マット(24インチ×14インチ(61.0cm×35.6cm))を規定の範囲内に置き,以後の投球はすべてこのマットに足をつけて行う。ついで標的となる1個の白いボール(ジャックと呼ばれ直径21/2インチ(63mm))を前方に投げる。このジャックに向かって交代でボウルを投げ,ジャックに近いボウルの数が得点となる。シングルスおよびダブルスでは1人4個,トリプルズ(3人組)では1人3個,4人組では1人2個のボウルを投げるので,最高点はダブルスでは8点となる。これを21回くり返して勝負が決まる。ボウルは木製か硬質ゴム,合成樹脂製で,外周161/2インチ(41.9cm)以内,重さ31/2ポンド(1.59kg)以内,一部分が扁平なため均衡がくずれ(バイアスという),まっすぐにはころがらない。イギリス,アメリカ,オーストラリアなどで盛んに行われ,日本では昭和初期から横浜,神戸などの外人クラブにボウリンググリーンがあった。最近は愛好者も増えてきている。国際組織としてInternational Bowling Board(1905創立)がある。
執筆者:中森 康友
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報