アイシングラス(読み)あいしんぐらす(その他表記)isinglass

翻訳|isinglass

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイシングラス」の意味・わかりやすい解説

アイシングラス
あいしんぐらす
isinglass

魚膠(ぎょこう)の一種。古くからヨーロッパで主としてタラなどの魚類うきぶくろ原料としてつくられ、チョウザメのものが最良とされている。うきぶくろを洗浄して不純物を除去し、縦に数枚に切断して板の上に広げて日光で乾燥させる。外膜を除去して圧力を加え、中層のほとんど純粋なコラーゲン部を平板状にして製品とする。黄色みを帯び、強靭(きょうじん)で半透明接着剤として宝石類の接着や羊皮紙の修復絆創膏(ばんそうこう)の原料に用いられ、また清澄剤としてビールサイダーワインなどの製造に使用される。

[望月 篤]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

栄養・生化学辞典 「アイシングラス」の解説

アイシングラス

 魚(チョウザメなど)の浮き袋を精製して乾燥したもので,コラーゲンが主な成分.ビールやワインの清澄剤として使われた.ゼリーや糊の製造にも使う.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のアイシングラスの言及

【タラ(鱈)】より

…昔は食用のほかにもタラの用途は広かった。例えば,皮膚やうきぶくろはコラーゲンを多量に含むので,前者はにかわの原料とされ,後者はアイシングラスと呼ばれる上質のゼラチン原料とされ,ブドウ酒の清澄剤としても用いられた。また,肝臓からは肝油をとり,ビタミンAおよびDの補給源とされた。…

※「アイシングラス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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