南インド,カルナータカ州バーダーミの北東約45kmにある前期(西)チャールキヤ朝の遺跡。小規模なものや半壊したものも含めると100以上の石積寺院があり,石窟も2窟ある。一部のジャイナ教寺院のほかはすべてヒンドゥー教に属し,主要なものは6世紀後期から8世紀までの造営である。最も古いラード・ハーンLāḍ-khān寺は,正方形の本殿に玄関を付け,ゆるい傾斜の屋根をのせた素朴な形態をとる。7世紀後期のドゥルガDurga寺は,仏教のチャイティヤ(塔を安置する祠堂)をしのばせる後円の長い堂に玄関を付けた珍しい形で,回廊の龕にすぐれた彫刻がある。建築は全般に背が低く,本殿の上にインド北型の高塔(シカラ)をのせるものもある。本殿外壁にはほとんど彫刻を付けず,玄関その他の柱に守門神やミトゥナを彫り,天井に神像を浮彫することが多い。彫像は手足が細く,肉付けが滑らかで柔らかく,しかも内面に力を秘めている。しかし作風にはかなりの差異があり,7世紀中期以後のものにはパッラバ朝彫刻の影響が顕著である。
執筆者:肥塚 隆
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