アイホーレ(英語表記)Aihoḷe

デジタル大辞泉 「アイホーレ」の意味・読み・例文・類語

アイホーレ(Aihole)

インド南部、カルナータカ州の村。6世紀から8世紀にかけて同地を支配した前期チャールキヤ朝最初の都があった場所であり、のちにバーダーミに遷都した。石窟寺院をはじめ、馬蹄型のドゥルガー寺院やアイホーレ最古のラードカーン寺院など、ヒンズー教ジャイナ教の寺院が100以上残っていることで知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「アイホーレ」の意味・わかりやすい解説

アイホーレ
Aihoḷe

南インド,カルナータカ州バーダーミの北東約45kmにある前期(西)チャールキヤ朝の遺跡。小規模なものや半壊したものも含めると100以上の石積寺院があり,石窟も2窟ある。一部のジャイナ教寺院のほかはすべてヒンドゥー教に属し,主要なものは6世紀後期から8世紀までの造営である。最も古いラード・ハーンLāḍ-khān寺は,正方形本殿に玄関を付け,ゆるい傾斜の屋根をのせた素朴な形態をとる。7世紀後期のドゥルガDurga寺は,仏教のチャイティヤ(塔を安置する祠堂)をしのばせる後円の長い堂に玄関を付けた珍しい形で,回廊の龕にすぐれた彫刻がある。建築は全般に背が低く,本殿の上にインド北型の高塔(シカラ)をのせるものもある。本殿外壁にはほとんど彫刻を付けず,玄関その他の柱に守門神やミトゥナを彫り,天井に神像を浮彫することが多い。彫像は手足が細く,肉付けが滑らかで柔らかく,しかも内面に力を秘めている。しかし作風にはかなりの差異があり,7世紀中期以後のものにはパッラバ朝彫刻の影響が顕著である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイホーレ」の意味・わかりやすい解説

アイホーレ
あいほーれ
Aihole

インド、カルナータカ州、デカン地方南部にある歴史都市。6~8世紀にこの地方を支配していたチャールキヤ朝の中心地であり、その当時のヒンドゥー教石窟(せっくつ)寺院が多数残されている。なかでも有名なものはドゥルガー寺院とラードゥ・ハーン寺院である。

[小谷汪之]

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百科事典マイペディア 「アイホーレ」の意味・わかりやすい解説

アイホーレ

南インド,カルナータカ州バーダーミ北部の村。6―8世紀に建立されたヒンドゥー教,ジャイナ教の寺院が100以上もあり,チャールキヤ王国興隆の中心地と推定されている。ラード・ハーン寺(6世紀後半),ドゥルガ寺(7世紀後半)等が有名。

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