アカウニ(英語表記)Pseudocentrotus depressus

改訂新版 世界大百科事典 「アカウニ」の意味・わかりやすい解説

アカウニ
Pseudocentrotus depressus

ウニ綱オオバフンウニ科の棘皮(きよくひ)動物。体表もとげも一様に赤いのでこの名がある。殻が平たく低いので別名ヒラタウニとも呼ばれる。日本特産で1属1種。本州中部以南に分布し,岩礁地帯の岩陰や岩の下,または浅海岩棚などにすむ。殻の直径は7cm,高さ3cm内外。とげは比較的短く,殻径の1/3以下の長さで先端鈍い。とくに口側のとげは短くて細く,ほとんど大型の管足の下に隠れる。まれに白いとげも混在する。口の周囲やとげの間にアカウニヤドリニナ(巻貝)やムラサキゴカクガニらが寄生することがある。産卵期は10~11月。生殖巣は地方によっては食用にする。
ウニ
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカウニ」の意味・わかりやすい解説

アカウニ
あかうに / 赤海胆
[学] Pseudocentrotus depressus

棘皮(きょくひ)動物門ウニ綱オオバフンウニ科に属する海産動物。赤褐色で1~2センチメートルの長さのとげをもつ。殻は他種より平たく、直径8センチメートル、高さ3センチメートルぐらいになる。本州、四国九州沿岸の磯(いそ)の浅瀬から水深4~5メートルぐらいの岩場に普通にみられる。混在するムラサキウニキタムラサキウニとは色調と殻の高さで区別できるが、色は淡紅色や赤紫色のものがあり、殻の高さにもかなりの変異がある。漁獲量は日本産ウニ類のうち5~6位にあり、味は他種に比べてやや劣るとされる。繁殖期は9月下旬から1月初旬ごろまでである。1属1種で、系統類縁関係が明確でない。日本のほかに朝鮮半島南部と済州島に分布する。

[重井陸夫]

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百科事典マイペディア 「アカウニ」の意味・わかりやすい解説

アカウニ

ヒラタウニとも。オオバフンウニ科の棘皮(きょくひ)動物。直径7cm,高さ3cm内外。殻は平たく,とげは比較的短く,通常暗赤色であるが,色の薄いこともある。管足も赤い。産卵期は晩秋。本州中部以南の潮間帯下の岩礁にすみ,日本固有種。生殖腺は雲丹(うに)として食用。
→関連項目ウニ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカウニ」の意味・わかりやすい解説

アカウニ
Pseudocentrotus depressus

棘皮動物門ウニ綱サンショウウニ目ラッパウニ科。食用。殻は赤色,殻径約 7cmで扁平。大棘は 2cm内外で先端は鋭くなく,赤褐色,白と赤褐色の混ったものなどの変異がある。日本固有種で,東京湾から九州までの浅海に分布する。

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栄養・生化学辞典 「アカウニ」の解説

アカウニ

 [Pseudocentrotus depressus].ホンウニ目ホンウニ亜目のウニ.卵巣を食用にするウニの一種.殻径5〜8cm,殻高2〜3cmになる.

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世界大百科事典(旧版)内のアカウニの言及

【ウニ(海胆)】より

…シラヒゲウニ,エゾバフンウニ,バフンウニなどは管足で小石や海藻片,ごみなどを殻の表面につけてカムフラージュするが,そのようなことはしないウニのほうが多い。アカウニの口の周囲やとげの間には,ムラサキゴカクガニや小型巻貝のアカウニヤドリニナやヤマモトヤドリニナなどが寄生し,ムラサキウニのとげの間にも全身黒紫色の小さなエビが隠れ,口の周囲には巻貝のキンイロセトモノガイが寄生する。
[利用]
 日本ではウニの生殖巣を生のまま,あるいは塩漬にして食べるが,地中海に面する国々でも盛んである。…

※「アカウニ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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