鈍い(読み)ニブイ

デジタル大辞泉 「鈍い」の意味・読み・例文・類語

にぶ・い【鈍い】

[形][文]にぶ・し[ク]
刃物切れ味が悪い。「ナイフ切れが―・い」⇔鋭い

㋐動きがのろい。動作が機敏でない。「客足が―・い」「動作の―・い動物」
㋑感覚が鋭敏でない。反応が遅い。「勘が―・い」「運動神経が―・い」⇔鋭い
人の感覚を刺激する力が弱い。「―・い日差し」「―・い音」「―・い痛み」⇔鋭い
[派生]にぶさ[名]
[類語](2のろ鈍感無神経うかつ無自覚無感覚無責任不注意不用意無意識的散漫抜かり手落ち手抜かりそつ手抜き遺漏疎漏抜かるうっかりうかうかノーマーク無意識ゆくりなく知らず知らず思わず知らず思いがけず思いも寄らない思わず覚えずひょっと我知らず我にもなくついついつい不覚不意ふと図らず図らずも何気なしうかうかうかと予想外意想外ひょんな潜在意識無意まぬるいまのろい遅いスロー緩慢とろいのろくさいまだるいまだるっこい緩徐遅緩スローモー遅遅のろのろそろそろゆっくりもたもたぼやぼやだらだらのろま鈍重ちんたらのさのさのそのそとぼとぼのこのこぐずぐずのそりのっそりのっしのっしのしのしどんとろとろぼちぼちぼつぼつぽつぽつ徐徐徐徐にじわじわじわりじわりじりじりのたりのたりのたりそろりゆるゆるのんびりのらくらゆったり悠然悠悠便便だらり便便のんべんだらりずぼらものぐさぐうたらだらしないしだらないぬらりくらりのらりくらりぬらくらちゃらんぽらん無精ルーズぶらぶらごろごろ無気力だらけるのほほん風太郎ぷうたろうその日暮らしふしだら自堕落ずるける怠ける手を抜く手抜き骨惜しみ投げ遣りレイジー怠慢怠惰無為拱手きょうしゅ横着怠るサボるイージーイージーゴーイング風の吹くまま気の向くまま油を売るまったり漫然たるむぬるま湯ぬるま湯につかる

のろ・い【鈍い】

[形][文]のろ・し[ク]
進み方がゆっくりしている。遅い。「足が―・い」「車が―・い」
動作や頭の働きなどが悪い。にぶい。「反応が―・い」
女性に対してあまい。色事に溺れやすい。
「矢っ張り男と云うものは―・いものと」〈木下尚江良人の自白
[派生]のろさ[名]
[類語]遅いスロー緩慢とろいのろくさいまだるいまだるっこい鈍い緩徐遅緩スローモー遅遅ちちのろのろそろそろゆっくりもたもたぼやぼやだらだらのろま鈍重ちんたらのさのさのそのそとぼとぼのこのこぐずぐずのそりのっそりのっしのっしのしのしまぬるいまのろいどんとろとろぼちぼちぼつぼつぽつぽつ徐徐徐徐にじわじわじわりじわりじりじりのたりのたりのたりそろりゆるゆるのんびりのらくらゆったり悠然悠悠もさくさもさっともさもさ便便だらり便便のんべんだらりずぼらものぐさぐうたらだらしないしだらないぬらりくらりのらりくらりぬらくらちゃらんぽらん無精ルーズぶらぶらごろごろ無気力だらけるのほほん風太郎ぷうたろうその日暮らしふしだら自堕落ずるける怠ける手を抜く手抜き骨惜しみ投げ遣りレイジー怠慢怠惰無為拱手きょうしゅ横着怠るサボるイージーイージーゴーイング風の吹くまま気の向くまま油を売るまったり漫然たるむぬるま湯ぬるま湯につかる

おぞ・い【鈍い】

[形][文]おぞ・し[ク]《「おそい」の音変化》頭の働きがにぶい。気が利かない。愚かだ。
「―・いことた、行き過ぎたこと仕たと悔んでも」〈露伴・椀久物語〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鈍い」の意味・読み・例文・類語

にぶ・い【鈍】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]にぶ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 切れ味が悪い。鋭利でない。
    1. [初出の実例]「紙をあまたおし重ねて、いとにぶきかたなして切るさまは」(出典:枕草子(10C終)二五九)
  3. 動作や反応がすばやくない。のろい。また、頭のはたらきがおそい。勘がするどくない。
    1. [初出の実例]「おぼしたつほど、にぶきやうに侍らんや」(出典:源氏物語(1001‐14頃)幻)
    2. 「毎日五六十の届の文、是でも仕手のにぶい時は」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)二)
  4. 音の響きなどが低く、するどくない。光などが弱く、鮮やかでない。また、痛みなどの刺激がするどくはないが重苦しい。
    1. [初出の実例]「さあさあさあ・空がにぶいぞみこし様」(出典:雑俳・軽口頓作(1709))
    2. 「黒ずんだ上に鈍(ニブ)反射を見せてゐる水の面を」(出典:雁(1911‐13)〈森鴎外〉二二)
  5. 取引相場で、相場が活気なく下落気味である。

鈍いの派生語

にぶ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

鈍いの派生語

にぶ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

のろ・い【鈍】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]のろ・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 速度がおそい。進み方がゆっくりしている。はかどらない。
    1. [初出の実例]「宇治河は上はのろくて底はやし」(出典:延慶本平家(1309‐10)五本)
  3. 動作、頭の働きがおそい。おろかである。愚鈍である。にぶい。
    1. [初出の実例]「てめへなんぞはかうべがのろいぜ」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉四)
  4. 異性に甘い。色情におぼれやすい。
    1. [初出の実例]「をれが顔のたたねへやうな事するなよ。こんなのろい句を出すやうになっちゃあ」(出典:洒落本・通言総籬(1787)二)

鈍いの派生語

のろ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

鈍いの派生語

のろ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

おぞ・い【鈍】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]おぞ・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「おそい(遅)」の変化した語 ) 頭のはたらきがにぶい。のろまで気が利かない。おろかである。
    1. [初出の実例]「鈍(オゾ)き奴かな。などて吾を欺(あざむ)くぞ」(出典:読本椿説弓張月(1807‐11)後)

鈍いの語誌

頭や心のはたらきののろさをいう「おそい(遅)」から変化したもの。時間的意味の「遅い」との意味分化によって生じたもので、近世近代にもちいられた。

鈍いの派生語

おぞ‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android