アカバ湾の最奥部にあるヨルダン唯一の港。北西に国境をはさんでイスラエルの港市エイラトが隣接する。オスマン帝国時代には小村であったが,スエズ運河とヒジャーズ鉄道の建設により,交通上の要地となった。1917年オスマン帝国にたいして反乱を起こしたヒジャーズのシャリーフ,フサインの軍隊によって占領される。ヒジャーズがアブド・アルアジーズ・ブン・サウードに征服されると,トランス・ヨルダンのアブド・アッラーフ皇太子がアカバの権利を主張しこれを併合した。ヨルダンは,48年のパレスティナ戦争によって地中海沿岸の港を利用できなくなったため,アカバの開発を本格的に進め,60年代半ばには港の設備が完成し,73年には,年間約80万tの船荷を取り扱うまでになった。ヨルダンの主要な輸出商品であるリン鉱石の積出港として重要である。
執筆者:木村 喜博
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ヨルダン南西部の港町。紅海の最奥部で、アラビア半島ヒジャーズ地方とシナイ半島に挟まれたアカバ湾の北端にある自然の良港。人口10万0700(2003推計)。海陸交通の要地で、かつて陸路でカイロからメッカに行く巡礼ルートの食糧補給地として重要であった。また、周辺を通過するアラブ系遊牧民の交易地であった、内陸国ヨルダンの唯一の海港で、近くにはイスラエルのエイラト港がある。1955年には新たに港湾設備が完成し、燐(りん)鉱石、カリ塩、野菜などを輸出する。
[原 隆一]
…体色は淡紅色または朱赤色で,体側に幅の広い5本の横帯がある。和歌山各地でアカゴロウ,アカダシ,アカッペ,高知でアカバ,鹿児島でアカメバル,長崎でアカウオ,沼津でアカイなど各地の呼名もこの特徴に由来するものが多い。岩礁地帯やサンゴ礁域でふつうに見られる。…
※「アカバ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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