アジア=アフリカグループ(英語表記)Afro-Asian Group

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

アジア=アフリカグループ
Afro-Asian Group

国連加盟のアジア,アフリカ新興諸国を中心とした地域的協議グループで,AAグループともいう。 1951年結成。日本も 57年の国連加盟とともに参加した。公式組織ではないが地域グループとしては国連最大で優に過半数を制し,反植民地勢力として国連総会で果す役割は大きい。成立当初は,相次いで独立した東南アジア諸国とアラブ連盟の成立とを背景に,新興諸国の利益を代弁する機能を果した。朝鮮戦争に示されたアメリカの「力の政策」を非難し,中立主義の立場から国際世論を喚起するなど国際緊張緩和に貢献した。この過程で生れたインドなどを中心とするコロンボ・グループ5ヵ国は,反植民地主義平和共存を強調して 55年第1回アジア=アフリカ会議を開催,新興諸国の連帯原理である平和十原則を成立させ,国際政治における AAグループの比重を飛躍的に高めた。ここで確認された非同盟中立主義は 57年のアジア=アフリカ人民連帯会議での反植民地綱領を生み,さらに社会主義諸国との協力関係をも可能にした。しかし域内には親西欧反共国家,中立主義国,容共民族主義国などが混在し,植民地主義という共通の敵が後退するにつれて内部対立も顕在化し,65年に予定されていた第2回 AA会議流会に終り,情勢の複雑さを露呈した。 70年5月のカンボジア問題のためのジャカルタ会議は,アジア人が再び積極的な役割を果しうる可能性を示したものといわれるが,70年代以降はラテンアメリカを含む非同盟諸国会議にその役割を譲った感がある。

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