平和十原則(読み)ヘイワジュウゲンソク(英語表記)ten principles for peace

デジタル大辞泉 「平和十原則」の意味・読み・例文・類語

へいわ‐じゅうげんそく〔‐ジフゲンソク〕【平和十原則】

1955年、バンドンにおけるアジアアフリカ会議で決議された「世界平和と協力の推進に関する宣言」中に掲げられた世界平和のための10の原則基本的人権ならびに国連憲章目的と原則の尊重、国家の主権領土権の尊重、人種と国家間の平等、内政不干渉自衛権の尊重、集団防衛体制の反対正義と国際義務の尊重など。

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精選版 日本国語大辞典 「平和十原則」の意味・読み・例文・類語

へいわ‐じゅうげんそく‥ジフゲンソク【平和十原則】

  1. 〘 名詞 〙 「世界平和と協力の増進に関する宣言」に盛られた、基本的人権並びに国連憲章の目的と原則の尊重など、世界平和のための一〇の原則。一九五五年四月、バンドンで開かれたアジア‐アフリカ会議で採択された共同宣言バンドン十原則

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平和十原則」の意味・わかりやすい解説

平和十原則
へいわじゅうげんそく
ten principles for peace

1955年4月インドネシアのバンドンで 29ヵ国代表が参加して開かれたアジア=アフリカ会議共同コミュニケのG項「世界平和と協力の増進に関する宣言」のなかに採択された十原則。バンドン十原則とも呼ぶ。内容は (1) 基本的人権と国連憲章の目的と原則の尊重,(2) すべての国家の主権と領土 (保全) の尊重,(3) あらゆる人種の平等および大小すべての国家の平等権の承認,(4) 他国の内政への不介入と不干渉,(5) 国連憲章の精神にそい,各国が単独あるいは集団的に自衛する権利の尊重,(6) (a) 大国の特定の利益に奉仕するために,集団防衛の取決めを利用しないこと,(b) いかなる国も他国に圧力を加えないこと,(7) いかなる国に対しても,侵略行為あるいは侵略の威嚇,あるいは武力行使によってその領土保全,政治的独立を危うくしないこと,(8) あらゆる国際紛争を交渉,調停仲裁裁判あるいは司法的解決などの平和的手段,あるいは国連憲章に従って当事国が選ぶ他の平和的手段によって解決すること,(9) 相互の利益と協力の促進,(10) 正義と国際義務の尊重の 10項目。 54年の平和五原則に集団自衛と国連憲章の尊重を織込んだもので,アジア=アフリカ諸国から「バンドン精神」として,大国と小国との関係を律する原理として支持された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「平和十原則」の意味・わかりやすい解説

平和十原則
へいわじゅうげんそく

1955年4月、インドネシアのバンドンで開かれたアジア・アフリカ会議で採択された共同宣言。バンドン十原則ともいう。〔1〕基本的人権と国連憲章の尊重、〔2〕主権と領土保全の尊重、〔3〕人種・国家の平等、〔4〕内政不干渉、〔5〕国連憲章に基づく個別的・集団的自衛権の尊重、〔6〕大国を利する集団防衛体制反対、〔7〕相互不侵略、〔8〕国際紛争の平和的解決、〔9〕協力の促進、〔10〕正義と国際義務の尊重、である。このような平和五原則と国連憲章をあわせた世界平和の諸原則は、新興独立国の外交政策と連帯の基本として、国際政治を動かす力となったが、その後、この原則の主唱国であった中国・インドの国境紛争をはじめ、第三世界諸国間の紛争が激化して、平和十原則はその意義を弱めていった。

[安藤正士]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「平和十原則」の解説

平和十原則(へいわじゅうげんそく)
ten principles for peace

1955年に開かれたアジア・アフリカ会議の「世界平和と協力の推進に関する宣言」で提示された世界平和実現のための十原則。軍縮,核兵器廃絶をめざし,諸国家の平和共存を実現することをうたう。具体的には,基本的人権・主権の尊重,人種と国家の平等,内政不介入,国連憲章による個別的集団的自衛権の尊重と紛争の平和的解決,大国主導の集団的防衛協定の排除,など。

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旺文社世界史事典 三訂版 「平和十原則」の解説

平和十原則
へいわじゅうげんそく

1955年のインドネシアのバンドンにおける第1回アジア−アフリカ会議で確認された平和のための10原則
正式には「世界平和と協力の増進に関する宣言」という。その内容は,(1)基本的人権・国連憲章の尊重,(2)主権および領土の保全,(3)人種・国家間の平等,(4)内政不干渉,(5)自衛権の尊重,(6)集団防衛の排除,(7)武力侵略の否定,(8)国際紛争の平和的解決,(9)相互協力の促進, (10)正義と義務の尊重の10か条で,バンドン精神とうたわれた。

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旺文社日本史事典 三訂版 「平和十原則」の解説

平和十原則
へいわじゅうげんそく

1955年のアジア‐アフリカ会議で確認された平和の原則
インドネシアのバンドンに集まった非同盟の立場をとる中立主義の29カ国の代表の間で,反帝国主義・反植民地主義と平和共存を旗印にした「バンドン十原則」が採択された。

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世界大百科事典(旧版)内の平和十原則の言及

【平和五原則】より

…この結果これらの5原則は,〈現在の世界にみられる緊張した情勢を緩和し,平和の空気をつくりあげるための原則〉として,周=ネルー共同声明のなかにもうたわれ,全世界に向かって〈平和の5原則〉として打ち出された。なおこの平和の5原則は中国の毛沢東主席によって,国際連合の基本精神として1944年に構想されたもの,といわれるが,55年インドネシアのバンドンで開かれた第1回アジア・アフリカ会議は,この原則をふまえ,さらに発展させて〈平和十原則〉を打ち出した。【蠟山 芳郎】。…

※「平和十原則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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