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アセト酢酸 アセトさくさん acetoacetic acid

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アセト酢酸
アセトさくさん
acetoacetic acid

H6C4O3ケトン体のうち一次的に生ずるもの。糖の供給が不十分なときや,糖尿病で糖質代謝に障害が起ったときに,肝臓で盛んにこのケトン体がつくられ,筋内で消費しきれなくなって,尿中や血中に多量に排泄される。

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栄養・生化学辞典の解説

アセト酢酸

 C4H6O3 (mw102.09).CH3-CO-CH2-COOH.β-ヒドロキシ酪酸が酸化された形の化合物で,ケトン体(アセトン体)の一つ.脂肪酸の酸化により体内で生成する.絶食時や糖尿病の場合に血中濃度が上昇し,脳その他の器官でエネルギー源として使われる.ケトン体の血中濃度が上昇した状態をケトーシスという.

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世界大百科事典 第2版の解説

アセトさくさん【アセト酢酸 acetoacetic acid】

β‐ケト酸の一種。化学式CH3COCH2COOH,融点36~37℃の固体で水に溶ける。熱に対して不安定で,容易に脱炭酸してアセトンとなる。塩化鉄(III)により赤紫色を呈する。合成法は,アセト酢酸エステルを低温でアルカリ加水分解する。非常に不安定なため,実験室で使われる機会は少ないが,生体内では重要な役目を果たしている。脂肪酸の酸化代謝過程でアセト酢酸が生成する。この代謝前駆体であるアセチルCoAクエン酸回路に向かって正常に代謝されないと,アセト酢酸の生成が増え,分解生成物であるアセトンあるいは3‐ヒドロキシ酪酸が蓄積される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アセト酢酸
あせとさくさん

融点37℃の不安定な液状の酸。化学式CH3COCH2COOHで、長く放置しておいたり、熱したりすると、アセトンと炭酸ガスに分解する。糖尿病患者の血液中には、アセト酢酸が多く、尿中にも排出されてくる。生体内では、2分子のアセチル補酵素Aから、1分子のアセト酢酸が生成される。アセト酢酸からさらにβ‐オキシ酪酸およびアセトンが生ずる。これらの物質を総称してケトン体とよぶ。ケトン体は肝臓で産生されるが、代謝はされず、そのまま循環血中に放出される。肝臓以外の組織では、サクシニル補酵素Aから、補酵素Aをアセト酢酸へ転移させて、「活性アセト酢酸」にしたのち、これをクエン酸回路によって炭酸ガスと水に代謝してしまう。飢餓、糖尿病、高脂肪食などで、熱量供給のほとんどが脂肪によって賄われるときには、脂肪を炭水化物に変える主要な代謝経路が生体に存在しないため、炭水化物欠乏症となる。このようなとき、炭水化物にかわるエネルギー源としての脂肪の代謝が著しく増強され、大量のアセチル補酵素Aが生ずる。これがアセト酢酸を形成し、生体内で酸化しきれないほど増すと、ケトン体が血中に蓄積してくるが、これをケトーシスという。糖尿病患者にロイシンやチロシンなどのアミノ酸を投与した際にもアセト酢酸の排出が増す。また、動物にフロリジンという糖の吸収を抑制するグリコシドを注射すると、これと同様の現象がみられる。[飯島康輝]

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世界大百科事典内のアセト酢酸の言及

【ケトン体】より

アセト酢酸,D‐3‐ヒドロキシ酪酸およびアセトンの三つを総称してケトン体またはアセトン体acetone bodyという。脂肪酸酸化により生じたアセチルCoAは通常は主としてクエン酸回路に入って酸化されるが,それにはオキサロ酢酸の十分な供給が必要である。…

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