黒海北東部の湾入で,西はウクライナ,東はロシアに囲まれ,南はケルチ海峡を介して黒海に通じる。ラテン語でパルス・マエオティスPalus Maeotis(〈スキタイの沼〉の意)。古代ロシアではスロジスコエ海Surozhskoe moreと呼ばれた。面積3万8000km2,平均深度8m,最深点14m。クバン,ドンなどの大河が流れこむ。沿岸の大半は低平で,砂嘴(さし)の発達が良く,細長い淡水の潟湖を数多く形成している。年間水量は,河川より約40km3,降水より13km3を受けとり,蒸発により34km3を失い,残りの大半17.4km3がケルチ海峡を通って黒海に流出する。表面水温は7~8月に25~30℃,1月には0℃以下に下がり,2~3月は結氷する。塩分濃度は南に濃く9~11‰である。チョウザメ,ニシン,ウグイ,スズキなどの漁獲がある。おもな港はロストフ・ナ・ドヌー,タガンログ,ケルチなどである。
執筆者:渡辺 一夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
ヨーロッパとアジアの間にある黒海北部の湾入で、ロシア連邦とウクライナにまたがる。ロシア連邦内では最小の内海。英語名Sea of Azov。ケルチ海峡で黒海に通ずる。東西360キロメートル、幅140キロメートル、面積3万8000平方キロメートル。水深は平均8メートル、最深部で14メートル。塩分濃度は南部で11、その他で9~10。表水温は夏季に25~30℃に達するが、11月下旬~3月上旬には結氷する。左回りの沿岸流によって北・東海岸には砂嘴(さし)と砂堆(さたい)の発達が顕著である。北東タガンログ湾にドン川が流入する。ウグイ、ニシン、コイ、チョウザメなどの漁獲がある。沿岸のおもな港はタガンログ、マリウポリ(旧ジダーノフ)、ケルチである。
[保谷睦子]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
南ロシア,ドン川河口の大きな入り江。ケルチ海峡によって黒海に通じている。河口の港アゾフは15世紀後半よりトルコの要塞となっていたが,1696年ピョートル1世が占領した。1739年以後ロシア領。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新