アゾフ海(読み)アゾフかい(英語表記)Azovskoye more

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アゾフ海
アゾフかい
Azovskoye more

黒海の北に位置する浅い内海。ウクライナ南東部とロシア南西部にまたがり,クリミア半島クルイム半島)とクバン川三角州低地に囲まれている。ケルチ海峡によって黒海と,またゲニチェスク海峡によって西方シバシ湖とつながっている。西南西-東北東方向の長さ約 350km,中央部の南北幅が約 150km,面積3万 8000km2。平均水深 9m,最深部でも約 14mで,世界で最も浅い海である。 12月末~2月末は結氷。時計の針と逆方向に流れる沿岸流は東岸と北岸に特徴的な砂嘴を,また,西岸には細長いアラバト岬を形成している。海水の塩分濃度は,ドン川,クバン川,ミウス川などの流入により薄い。漁業が盛んで,チョウザメカワカマスコイボラニシンなどが重要な漁獲であり,東岸のロシアのエイスクテムリュクが主要漁港。沿岸主要港はロシアのロストフナドヌータガンログ,ウクライナのマリウーポリ,ケルチなど。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アゾフ海
あぞふかい
Азовское Море/Azovskoe More

ヨーロッパとアジアの間にある黒海北部の湾入で、ロシア連邦とウクライナにまたがる。ロシア連邦内では最小の内海。英語名Sea of Azov。ケルチ海峡で黒海に通ずる。東西360キロメートル、幅140キロメートル、面積3万8000平方キロメートル。水深は平均8メートル、最深部で14メートル。塩分濃度は南部で11、その他で9~10。表水温は夏季に25~30℃に達するが、11月下旬~3月上旬には結氷する。左回りの沿岸流によって北・東海岸には砂嘴(さし)と砂堆(さたい)の発達が顕著である。北東タガンログ湾にドン川が流入する。ウグイ、ニシン、コイ、チョウザメなどの漁獲がある。沿岸のおもな港はタガンログ、マリウポリ(旧ジダーノフ)、ケルチである。

[保谷睦子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

アゾフ海【アゾフかい】

黒海北部,ウクライナ,ロシアの浅い内湾。ロシア語でAzovskoe more。ケルチ海峡により黒海と結ばれる。最深14.5m,総面積3万8000km2。南岸で漁業(チョウザメ,ニシン,スズキなど)が盛んである。
→関連項目黒海

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

旺文社世界史事典 三訂版の解説

アゾフ海
アゾフかい
Azov

ケルチ海峡によって黒海に通じるドン河口の入江
トルコ領であったが,17世紀末ピョートル1世が占領,18世紀初頭オスマン帝国に奪還されるが,露土戦争(1736〜39)によって支配権を獲得した。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

アゾフ‐かい【アゾフ海】

(アゾフは Azov) 黒海北東、ウクライナ南東部の内湾。ドン川が注ぐ。最大深度は一五メートル。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

アゾフかい【アゾフ海 Azovskoe more】

黒海北東部の湾入で,西はウクライナ,東はロシアに囲まれ,南はケルチ海峡を介して黒海に通じる。ラテン語でパルス・マエオティスPalus Maeotis(〈スキタイの沼〉の意)。古代ロシアではスロジスコエ海Surozhskoe moreと呼ばれた。面積3万8000km2,平均深度8m,最深点14m。クバン,ドンなどの大河が流れこむ。沿岸の大半は低平で,砂嘴(さし)の発達が良く,細長い淡水の潟湖を数多く形成している。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

今日のキーワード

国民投票法

正式名称は「日本国憲法の改正手続に関する法律」。平成19年法律第51号。2007年(平成19)5月18日に制定され、施行は3年後の2010年5月18日である。この法律は、日本国憲法第96条に定める日本...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android