黒海につながるアゾフ海に面したウクライナ東部ドネツク州の工業都市。重要港湾を抱え、製鉄や機械、化学工業が盛ん。侵攻前の人口は約43万人。昨年2月の侵攻開始直後から、ロシア軍と、親ロシア派「ドネツク人民共和国」の武装勢力が都市を包囲して砲撃を続け、同3月16日、避難者が身を寄せていた劇場が空爆されて多数が犠牲になった。ウクライナ内務省系の軍事組織「アゾフ連隊」がアゾフスターリ製鉄所に立てこもり抵抗を続けたが、ロシア国防省は同5月に完全制圧を宣言した。(共同)
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ウクライナ東部の港湾都市。人口49万2000(2001)、44万1098(2018推計)。ウクライナ東端のドネツク(ドネツィク)州にあり、ドネツ丘陵を北から南に流れてアゾフ海に注ぐカリミウス川河口に位置している。1778年に建設され、19世紀にはウクライナの小麦や石炭の積出し港として知られた。当地出身で1948年に死亡した政治家A・A・ジダーノフの名にちなみ、同年ジダーノフ市と改称し、1989年までその名でよばれたが、ソ連崩壊によりもとの名に戻った。ドネツク工業地帯の一部をなし、臨海工業地帯を有する。アゾフスターリ(アゾフスタル)製鉄所をはじめ、大型機械組立て、船舶修理、化学、コークス製造、食品加工などの工業、軽工業がある。また、冶金(やきん)工業大学、郷土博物館、民族博物館、劇場があり、泥浴(でいよく)療養地としても知られる、文教・保養都市である。
[上野俊彦]
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