日本大百科全書(ニッポニカ) 「マリウポリ」の意味・わかりやすい解説
マリウポリ
まりうぽり
Мариуполь/Mariupol'
ウクライナ東部の港湾都市。人口49万2000(2001)、44万1098(2018推計)。ウクライナ東端のドネツク(ドネツィク)州にあり、ドネツ丘陵を北から南に流れてアゾフ海に注ぐカリミウス川河口に位置している。1778年に建設され、19世紀にはウクライナの小麦や石炭の積出し港として知られた。当地出身で1948年に死亡した政治家A・A・ジダーノフの名にちなみ、同年ジダーノフ市と改称し、1989年までその名でよばれたが、ソ連崩壊によりもとの名に戻った。ドネツク工業地帯の一部をなし、臨海工業地帯を有する。アゾフスターリ(アゾフスタル)製鉄所をはじめ、大型機械組立て、船舶修理、化学、コークス製造、食品加工などの工業、軽工業がある。また、冶金(やきん)工業大学、郷土博物館、民族博物館、劇場があり、泥浴(でいよく)療養地としても知られる、文教・保養都市である。
[上野俊彦]