沿岸流(読み)エンガンリュウ

デジタル大辞泉 「沿岸流」の意味・読み・例文・類語

えんがん‐りゅう〔‐リウ〕【沿岸流】

海岸に沿ってほぼ平行する海水の流れ。砕波帯から数十キロメートル沖合までの海域にみられる。並岸流

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精選版 日本国語大辞典 「沿岸流」の意味・読み・例文・類語

えんがん‐りゅう‥リウ【沿岸流】

  1. 〘 名詞 〙 海岸に沿って平行に流れる海水の表面流磯波海岸線に対していくぶん斜めになって進むために生ずる。砂嘴(さし)砂州(さす)沿岸州などを形成する原因となる。

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百科事典マイペディア 「沿岸流」の意味・わかりやすい解説

沿岸流【えんがんりゅう】

海岸線とほぼ平行に流れる,比較的安定した潮の流れ。流れの速さは海岸線の形状によって異なり,速いものでは毎秒1m以上にもなる。海岸の砂を一定方向に運搬する働きがあり,浜堤砂浜海岸海岸砂丘の形成に重要な役割を果たす。
→関連項目海岸地形砂嘴漂砂

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「沿岸流」の意味・わかりやすい解説

沿岸流
えんがんりゅう
coastal current

一般に海岸の磯波(いそなみ)帯に隣接する部分から、その沖合い数十キロメートル付近までの間にみられる、海岸線に平行に流れる海流をいう。沿岸流には、沖合いを流れる海流の一部やその支流潮流吹送流、河川水による局所的なものなど、さまざまな原因の流れが含まれ、流速も海峡付近の潮流のように5ノット以上の強流から、0.5ノットにも満たない微弱流まで広範にわたっている。沿岸流は、陸上から流入したり、沿岸域で生産される種々の物質(栄養塩類、魚卵、稚仔(ちし)、砂泥)や海氷等を輸送混合、分散する働きをし、沿岸域の漁業、環境保全、船舶航行などに多くの影響をもたらしている。

[長坂昂一]

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改訂新版 世界大百科事典 「沿岸流」の意味・わかりやすい解説

沿岸流 (えんがんりゅう)
longshore current

波が沖合から海岸線と斜めに押し寄せて砕ける場合に,特に砕波帯より岸側水域に顕著に生じる,海岸にほぼ平行な比較的安定した流れ。波が高いほど流れは速く,毎秒数十cmから1m以上に達する。海岸の砂を長期間にわたり一方向に運搬する働きをもつので重要。なお,沖合数kmまでの沿岸海域の海岸に平行な海流や潮流による流れ(海岸流coastal current)や,砕波帯内の波の作用による流れ一般(海浜流nearshore current,littoral current)を沿岸流とよぶこともある。
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ダイビング用語集 「沿岸流」の解説

沿岸流

ロングショアカレント。岸に対して垂直ではなく、角度をもって波が押し寄せてくるとき、その岸に沿って平行な 方向に起こる流れ。寄せてくる波が大きいほど、その波の岸に対する角度が大きいほど、さらに岸が切り立っているほど沿岸流は遠くなる。岸の近くでは流れは強く、沖では弱い。

出典 ダイビング情報ポータルサイト『ダイブネット』ダイビング用語集について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沿岸流」の意味・わかりやすい解説

沿岸流
えんがんりゅう
coastal current

海岸から数十 km以内で,海岸にほぼ平行な海水の流れ。並岸流ともいう。砂州,砂嘴,トンボロなどは沿岸流に運ばれた砂の堆積地形である。

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