アニマ(英語表記)〈ラテン〉anima

  • Anima
  • ドイツ

世界大百科事典 第2版の解説

本来はラテン語で〈魂〉を意味する語。スイス精神医学者ユングが分析心理学における用語として用い,現在ではその意味で使用されることが多い。ユングは夢分析の際に,男性の患者の夢に多く特徴的な女性像が出現することに注目して,そのような女性像の元型が,男性たちの普遍的無意識内に存在すると仮定し,それをアニマと名づけた。女性の場合は夢に男性像が現れ,その元型がアニムスAnimus(アニマの男性形)である。男性も女性も外的には社会に承認されるためのいわゆる男らしいとか女らしいというペルソナ(〈仮面〉を意味する語)をつけているが,内的にはその逆のアニマ(アニムス)のはたらきによって補償されている。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (anima)
① キリシタン用語。霊魂。精神。
※どちりなきりしたん(一六〇〇年版)(1600)一「此あにまはしきしん(色身)にいのちをあたへ、たとひしきしんはつち(土)はい(灰)になるといふとも此あにまをはる事なし」
② 男性の心の奥にある無意識な女性的要素。スイスの心理学者ユングの用語。

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世界大百科事典内のアニマの言及

【心】より

…一つの傾向は心を身体や物体との連続あるいは親和の関係でとらえ,他方はその間の非連続と対立関係を強調し,身体的・感覚的な存在次元を超える理性的な精神活動にもっぱら注目する。発生的な順序では第1の見方が古く,心あるいは魂に相当するギリシア語の〈プシュケーpsychē〉(ラテン語ではアニマanima)は,原義においては気息()を意味し,生きた人間の身体に宿ってこれを動かし,死に際してその身から離れ去る生気のごときものを指す言葉であった。しかしアテナイを中心とする古典期のギリシアでは,もうひとつ別の用法がすでに一般化している。…

【シュタール】より

…生気論派の彼は,機械論派のF.ホフマン,物理化学折衷派のH.ブールハーフェとともに,体系医学派の3大家といわれる。彼のアニミスムス(精神論)によれば,アニマは感覚,運動,栄養摂取,排出など,あらゆる生活現象の本源で,外的有害要素に対するアニマの反応が疾病であり,この力を補うことを治療方針とした。主著に《真正医学説Theoria medica vera》(1708)があり,アニミスムスは18世紀後半の生気論の口火となった。…

【精神】より

…しかし,いずれにせよ,精神は超自然的秩序に属するか,あるいはそれにつながるものと考えられている。プラトンにあって超自然的イデアを直観する力をもつと見られる人間の精神(ヌース)や,アウグスティヌスにあって神の光によって照明されるとされる人間の精神(アニマ)も,元来超自然的秩序(イデア界や〈神の国〉)に属するものなのである。したがって,ここでは人間における身体と精神はまったく異なった秩序に属するものであって,精神は身体から分離可能であるばかりでなく,むしろ身体の穢れから浄化されるべきものと考えられる。…

【霊魂】より

…身体にひそむと信じられる超自然的な存在。人間だけでなく万物にひそむとされるときはアニマanimaといわれる。また古代ギリシアでは,プシュケーという霊魂概念が知られている。…

※「アニマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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