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アベスタ Avesta

翻訳|Avesta

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アベスタ
Avesta

ゾロアスター教の聖典。3世紀頃にゾロアスター教に関する諸伝承が集大成されたもので,「ヤスナ」 (祭儀に関する書) ,「ビスプラト」 (ヤスナの補遺で創造や徳についての祈祷書) ,「ビデブダート」 (悪の除去を目的とする法や戒律を示すもの) ,ホルダ・アベスタ (小アベスタとも呼ばれ,ヤシュト,ニャーイシュン,アフリガーン,ガーフから成る) の4部から成っている。今日の『アベスタ』は,ササン朝期にパフラビ文字を基礎とするアベスタ文字により音写され 21巻本に編集された原典の4分の1で,『アベスタ』の多くはイスラムの侵入により破壊された。『ゼンド・アベスタ』は『アベスタ』の注釈書。

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大辞林 第三版の解説

アベスタ【Avesta】

〔知識の意〕
ゾロアスター教の聖典。三世紀頃集大成されたが、現存するのはそのおよそ4分の1の部分。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アベスタ
あべすた
Avest

ゾロアスター教の聖典。もとは21部からなったと伝えられるが、現在はその一部しか伝わらない。その言語は、紀元前1000年ごろにイラン北東部で使われていたと考えられるインド・イラン語の方言の一つで、この書以外には知られないので、アベスタ語とよばれる。長い間、口承で伝えられてきたが、ササン朝の6世紀ごろに、文字に書き記された。このとき採用された文字は、中世ペルシア語のアルファベットを変形させたもので、とくにこの言語を写すため使われた表音文字であった。
 もっとも古い部分は、ゾロアスター自身のことばによるアフラ・マズダーへの賛歌で、「ガーサー」とよばれる。新しい部分は「後期アベスタ」と称され、言語的にはかなり崩れているが、そのなかにはガーサーと同程度に古いものが混入していることもある。
 内容的には、ガーサーを中心とする祭祀(さいし)書「ヤスナ」、諸ヤザタ(神々)への祈祷(きとう)書である「ヤシュト」、儀式の細目を述べた除魔法「ベンディダード」、諸祈祷文を集めた「小アベスタ」に分けられる。ササン朝時代に、中世ペルシア語でアベスタの解釈が書かれ、「ザンド」とよばれた。このザンドを伴うアベスタが「ザンド・アベスタ」で、その全体でゾロアスター教の聖典といわれることもある。[山本由美子]

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