ゲルトナー(読み)げるとなー(英語表記)Karl Friedrich von Gärtner

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゲルトナー」の意味・わかりやすい解説

ゲルトナー(Karl Friedrich von Gärtner)
げるとなー
Karl Friedrich von Gärtner
(1772―1850)

ドイツ植物学者。シュトゥットガルトなどで薬学を修め、のち化学や自然哲学にも興味をもって研究を続けた。1824年ごろからは、シュトゥットガルトの南東にある父の生地カールに住み、植物の交雑実験に集中した。これは、父の友人ケルロイター雑種の研究に、刺激されたためであった。1837年にはオランダの科学協会の懸賞論文に応募して賞を得た。25年間に約350種の雑種をつくり、その間に豊富な観察を行い、新しい技術を開発した。ケルロイターと同様に、遺伝法則をみいだすことはできなかったが、メンデルの研究に直接的な刺激を与えた。

真船和夫


ゲルトナー(Friedrich von Gärtner)
げるとなー
Friedrich von Gärtner
(1792―1847)

ドイツの建築家ミュンヘンに建築家の息子として生まれる。ミュンヘン美術学校で学んだのち、イタリア、オランダ、イギリスなどに旅行し、1820年母校の教授となる。バイエルンルートウィヒ1世に認められ、古典主義建築家クレンツェとともに当時の代表的な建築家となる。イタリア・ロマネスク半円アーチを好んで用いるなど中世趣味が強い。代表作はミュンヘンにあるルートウィヒ教会(1829~40)、国立図書館(1831~40)、大学(1835~40)など。41年にはミュンヘン美術学校の学長に就任し、同地に没。

[篠塚二三男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゲルトナー」の意味・わかりやすい解説

ゲルトナー
Gärtner, Friedrich von

[生]1792.12.10. コブレンツ
[没]1847.4.21. ミュンヘン
ドイツの建築家。ミュンヘンで学び,1812~18年ヨーロッパ各地を歴訪。イタリア・ルネサンス様式を研究,ルネサンス様式とロマネスク建築を統合した,いわゆるルントボーゲン様式の主導者となる。ミュンヘンのルートウィヒ聖堂 (1829~40) ,州立図書館 (31~40) ,大学 (35~40) ,ベフライウンクスハレ (37) ,ジーゲス門 (43) を建て,またギリシア様式でアテネ王宮 (36~42) を設計した。

ゲルトナー
Gärtner, Carl Friedrich von

[生]1772
[没]1850
ドイツの植物学者,園芸家。 1820年代より数多くの種類の植物について交雑実験を行い,49年にその成果を発表した。交雑によって雑種をつくったときそれが片方の親の性質だけを受継ぐこと,またこの雑種の子の代になってもう一方の親の性質も現れてくることを発見。これらの現象は,G.メンデルが,優劣,分離と呼んだものに対応する。ただし,ゲルトナーはこれらの観察から一般法則を引出すことには成功していない。また,生殖過程と関連づけてこれらの現象を説明することも行なっていない。

ゲルトナー
Geldner, Karl Friedrich

[生]1852.12.17. ザールフェルト
[没]1929.2.5. マールブルク
ドイツのインド学者,東洋学者。マールブルク大学教授。ベーダ,アベスタの研究に生涯を捧げ,『リグ・ベーダ』を独訳した。主著『アベスタ-ペルシアの聖典』 Avesta,die heiligen Bücher der Parsen (3巻,1885~95) ,『リグ・ベーダ』 Der Rig-Veda (3巻,51) など。

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367日誕生日大事典 「ゲルトナー」の解説

ゲルトナー

生年月日:1852年12月17日
ドイツのインド学者,東洋学者
1929年没

ゲルトナー

生年月日:1732年3月12日
ドイツの植物学者
1791年没

ゲルトナー

生年月日:1848年4月18日
ドイツの細菌学者
1934年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のゲルトナーの言及

【小屋住農】より

…封建社会の小屋住農の多くが領主あるいは一部の裕福なフーフェ農民のもとで,臨時雇あるいは年季奉公人として雇用されたのに対し,近代社会の小屋住農は資本家的農業経営者や地主のもとで働く事実上の労働者となる。なぜなら,フーフェ農民(本百姓)と区別されたにしても,ゲルトナーGärtnerとかボルディエbordierという言葉にも示されるように,小屋住農にはもともと菜園Gartenその他若干の土地borderieが付随していたし,共同放牧権その他の共同体的権利も付随しており,それだけでもある程度まで生活は保障されていたのであるが,近代社会ではそうした条件が失われるからである。【椎名 重明】。…

※「ゲルトナー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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