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アボカド Persea americana; avocado

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アボカド
Persea americana; avocado

クスノキ科の常緑高木。熱帯アメリカ原産で,広く熱帯各地に栽培される。果実球形または洋なし形で,やや紫褐色を帯びた緑色,多量の脂肪と蛋白質を含み,そのまま生で食べたり,アイスクリーム,サラダなどに入れて食べる。アリゲーターペアー alligator pearともいう。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

アボカド

中南米が原産。「森のバター」と呼ばれるほど多く含む脂肪分には、コレステロールを下げる効果があるとされ、ビタミンやミネラルも豊富という。輸入品の大半は熟すと黒っぽくなる「ハス」という品種。これに対して、国内ではまったりして甘みがある「ベーコン」や、香りがよく実がなるのが早い「ピンカートン」などの品種が栽培されている。

(2015-12-26 朝日新聞 朝刊 愛媛全県・1地方)

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デジタル大辞泉の解説

アボカド(avocado)

クスノキ科の常緑高木。淡黄緑色小花を多数円錐状につける。果実は球形・卵形・洋ナシ形などで、熟すと果肉バター状となり、生食される。熱帯アメリカの原産。わになし。
[補説]濃厚な味わいと脂肪分が豊富なことから「森のバター」ともいう。

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百科事典マイペディアの解説

アボカド

熱帯アメリカ原産のクスノキ科の常緑高木。熱帯各地で栽培される。樹高は10mに達し,6枚の花被片のある黄白色の小さな花を咲かせ,卵形〜洋ナシ形の果実を生ずる。果実は多量の脂肪とタンパク質に富み,生食したりアイスクリームに入れる。

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栄養・生化学辞典の解説

アボカド

 [Persea americana].クスノキ目クスノキ科アボガド属.果肉を食用にする.

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食の医学館の解説

アボカド

《栄養と働き》


 アボカドはその高い栄養価から、原産地中南米では「生命の源」と呼ばれて珍重されてきました。脂肪分のほかビタミン、ミネラルをバランスよく含み、『ギネスブック』で世界一栄養価の高いくだものと認められているほどです。最近では輸入量が急増して、街角の青果店でも見かけるようになりました。
〈悪玉コレステロールを減らし、生活習慣病を予防〉
○栄養成分としての働き
 アボカドは「森のバター」とも称されるように、脂肪分が全体の20%近くを占め、100g中では実に牛乳の4倍もの脂肪分、約2倍のエネルギーがあります。しかし、脂肪分のうち80%は不飽和脂肪酸で、オレイン酸が多いのが特徴です。また、コレステロールを下げる働きがあることも確認されています。高カロリー、高ビタミンのくだものなので、食欲不振になりがちな肝臓病の人の食事にもおすすめです。
〈ビタミンとミネラルを豊富に含む〉
 アボカドに含まれるビタミンは、カロテン、ビタミンB1、B2、C、Eなど9種もあります。このうちビタミンBやEは、老化の原因となる体内細胞の酸化を防ぎ、若々しい体を保つ効果があります。ビタミンEやCは発がん物質の生成を抑える働きがあり、さらにビタミンEはアボカドの不飽和脂肪酸が体内に吸収されるのを助けます。
 アボカドにはミネラルも多く含まれるといわれています。なかでもカリウムは100g中に720mgと、生食するくだものでは群を抜いた含有量を誇っています。カリウムは体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、血圧を下げる効果があります。また、アボカドにはトリプトファン、リジンなどの必須アミノ酸が含まれています。これらは成長期の子どもには欠かせない栄養素で、西アフリカでは育児食として用いられます。さらに食物繊維も豊富なので、便秘(べんぴ)解消にも効果が期待できます。
〈乾燥肌には直接肌に使うと有効〉
○外用としての利用法
 外用では、アボカドの皮で肘(ひじ)・膝(ひざ)・かかとなど、皮膚のかたくなった箇所をこすると、やわらかくスベスベになります。また、実をすりつぶして少量のオリーブオイルで溶いたものは、顔の小じわ部分などのパックや育毛剤として利用します。これは乾燥肌の人に有効です。
 高い栄養価に加え、果肉はもとより、皮や種にいたるまで有効利用できるとあって、アボカドはくだものの王様といっても過言ではないでしょう。
○漢方的な働き
 油は、外用として用いると、皮膚の硬化症、関節炎などの症状の緩和に働きます。

《調理のポイント》


 アボカドは甘みや酸味のないくだものなので、野菜感覚で料理に使えます。縦に切り目を入れ、両手でねじると簡単に2つに割れます。種をはずし、レモンやコショウをかけてスプーンですくって食べるのが、いちばん簡単でしょう。このほかサラダや和えものなどにもします。果肉のかたいものはてんぷらやグラタンなどに利用するといいでしょう。
 ねっとりとした果肉はマグロのトロに似た食感のため、刺身にしてワサビじょうゆで食べるとご飯にもあいます。
 アメリカで人気の「カリフォルニア巻き」はトロのかわりにアボカドを具に入れたのり巻きです。また、バターのようにパンに塗ったりディップにしたりするほか、裏ごししてスープやアイスクリームにするなど、ねっとり感を生かした食べ方もいろいろとあります。
 切って空気に触れると、すぐに黒く変色するので、レモン汁をかけておきます。
 アボカドは輸入くだものなのでわが国での旬(しゅん)はありませんが、出盛りは初夏のころです。皮は緑色ですが、熟すにつれて黒ずんできます。購入する場合、すぐに食べるならば少し黒くなったものを、そうでなければ緑色のものを選び、室温で数日放置しておきます。食べごろの目安は、軽く握って弾力があるぐらいです。切ったアボカドの保存は、ラップに包んで冷蔵庫へ。3~4日は日もちします。
○注意すべきこと
 いいことづくしのアボカドですが、ワルファリンカリウムという薬を服用している人は、注意してください。ワルファリンカリウムは血液の凝固因子の活性化に重用な役割を担うビタミンKの働きを阻害する薬で、血栓(けっせん)をできにくくする作用があります。しかし、アボカドにビタミンKが含まれているため、この薬の作用を弱めてしまう恐れがあるといわれています。もっともアボカドのビタミンK含有量は、納豆などにくらべるとさほど多くはないので、大量摂取しなければ問題はありません。

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世界大百科事典 第2版の解説

アボカド【avocado】

クスノキ科の常緑高木(イラスト)。果肉は緻密(ちみつ)で熟すと軟らかくなり,脂肪分に富む。タンパク質,ビタミンも多いが,糖分は1%以下で,糖尿病体質の人に適する果物である。原産地はメキシコからコロンビア周辺の地域であり,数千年前から栽培されていた。新大陸発見以降に,スペインフィリピンなどを経由し,現在は熱帯の各地で栽培されている。総状花序に黄緑色の直径7~8mmと小さい花を多数つける。完全花であるが,めしべおしべより先熟する系統と後熟する系統とがあり,品種特性ともなっている。

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大辞林 第三版の解説

アボカド【avocado】

クスノキ科の常緑高木。中米原産。果実は黒緑色または緑色の洋梨形または楕円形で、中に大きな種子が一個ある。果肉は黄緑色のチーズ状で、脂肪・タンパク質を含み、生食される。ワニナシ。 〔アボガドとするのは正しくない〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アボカド
あぼかど
avocado
[学]Persea americana Mill.

クスノキ科の常緑高木。熱帯アメリカ原産で、果肉を食用にするため栽培される。染色体数は2n=24である。ワニナシalligator-pearの名もある。
 3基本系があり、メキシコ系var. drymifoliaはメキシコ原産で、耐寒性が強く、零下8℃にも耐える。葉は楕円(だえん)形で10~15センチメートルでクスノキ香がある。グアテマラ系var. guatemalensisはグアテマラ原産、西インド系var. americanaは西インド諸島、コロンビア北部に多く、ともに耐寒性が弱く、葉は大形で香りがない。
 花は円錐(えんすい)花序につき、雌雄異熟。雌蕊(しずい)先熟花は午前中に初の開花をして閉じ、雄しべの熟す翌日の午前中に二度目の開花をする。雄蕊先熟花はこれと逆の関係にあり、相互間の受精が多く、自家受精はまれである。結果率は1%内外である。
 果実はグアテマラ系は14か月で熟し、他系は7か月。球形、楕円形、西洋ナシ形で、大きな種子をもち、15~300グラム。メキシコ系は小果。表皮は緑色、紫黒色、まれに黄色もあり、表面は平滑ないし粗い。果肉は緑色ないし黄色で、肉質は軟らかくバター状。脂肪、タンパク質、ミネラル、ビタミンに富み、特有の香味がある。味はメキシコ系が最高。剥皮(はくひ)し、刻んで野菜サラダに入れる。バターがわりにトルティーヤ(トウモロコシ粉を練って焼いたもの)やパンに塗って食べる。ペースト状にしたソースをワカモレとよび、メキシコ風料理の添え物としてよく使われる。また、種子を取り去り、二つ割りにした生果にメキシカンライムの果汁を絞り込んだものもよく、日本風ではしょうゆの味つけでもよく、利用面は広い。生果は20%の油分を含み、アボカドオイルの原料ともなる。[飯塚宗夫]

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世界大百科事典内のアボカドの言及

【西洋料理】より

…肉料理では,牛肉,豚肉,鶏肉をよく用い,祭日のごちそうとしては,シチメンチョウにチョコレート入りのソースをかけた料理が登場する。果物が豊富で,アボカドのスープやサラダなどもつくられる。【辻 静雄】
[日本の西洋料理]
 禅僧南浦玄昌(なんぽげんしよう)が撰述した《鉄炮記》の一節に〈西南蛮種の賈胡(ここ),その飲むや杯飲して杯せず,その食や手食して箸(はし)せず〉と,1543年(天文12)に種子島に漂着したポルトガル人の飲食風景が記されている。…

※「アボカド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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