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アマゾンカワイルカ Inia geoffrensis; boto

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アマゾンカワイルカ
Inia geoffrensis; boto

クジラ目ハクジラ亜目アマゾンカワイルカ科アマゾンカワイルカ属。体長は 2.3~2.8mで,雄は雌より大きい。雄の最大体重は約 160kgに達する。出生体長は約 80cm。体色は灰色から桃色で,背部から腹部に向ってより淡色となる。全身桃色を呈するものもある。幼鯨は黒灰色であるが,成長に伴い桃色の部分が増す。噴気孔は1個で頭部正中線上にある。嘴 (くちばし) はきわめて細長く,剛毛がまばらに生える。嘴のつけ根から前頭部が急に盛上がり,頭部は体に比して小さく丸い。眼は小さい。背鰭 (せびれ) は体の後方3分の2に位置し,低く長く,頸部から次第に隆起し,頂点を過ぎると尾鰭に向ってキール (稜状の隆起) を形成する。尾鰭は比較的大きく幅が広い。胸鰭もきわめて大きく三角形状をなし後縁がややくぼむ。歯は太く上下顎骨の口唇に沿って左右 23~35対並び,嘴前方の歯は円錐歯であるが,後方の歯は歯冠部がキノコの傘状を呈する。 12~15頭の群れをなすこともあるが,通常は単独ないし数頭の群れで行動する。動きが緩慢で,頭部と背鰭の一部を水上に出す程度しか浮上しない。ブラジルでは5~7月の雨季に出産の最盛期を迎える。川底近くのさまざまな種類の魚類を捕食し,大型の餌を食べるときは適当な大きさに裂いて飲みこむ。またコビトイルカとともに餌を捕ることがある。アマゾン川およびオリノコ川流域に広く分布し,雨季には本流だけでなく支流や湖にも進入する。絶滅危惧種。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

アマゾンカワイルカ

アマゾン川流域に生息する。体長約2・5メートル。ピンク色の体からピンクイルカとも呼ばれる。生息数は不明。国際自然保護連合(IUCN)は絶滅の恐れが高いとして、レッドリストに載せている。世界には中国・長江のヨウスコウカワイルカ、インドのガンジス川のガンジスカワイルカなどがいる。ヨウスコウカワイルカは絶滅したともいわれ、ガンジスカワイルカも絶滅の危機にある。

(2007-11-10 朝日新聞 夕刊 1総合)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アマゾンカワイルカ
あまぞんかわいるか
boutuAmazonian dolphin
[学]Inia geoffrensis

哺乳(ほにゅう)綱クジラ目カワイルカ科のハクジラ。アマゾン川とラプラタ川の水系に分布するカワイルカの1種。体長2.5メートル前後。[粕谷俊雄]

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世界大百科事典内のアマゾンカワイルカの言及

【カワイルカ(河海豚)】より

…胃は4室よりなるが食道胃を欠く。アマゾンカワイルカInia geoffrensis(英名boutu)もこれに似た種類で,アマゾンとオリノコ水系に分布する。体長2~2.3mで,雄がやや大きい。…

※「アマゾンカワイルカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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