ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オリノコ川」の意味・わかりやすい解説
オリノコ川
オリノコがわ
Río Orinoco
ヨーロッパ人による流域探検は 16世紀に始まり,1531年にはスペイン人が下流部を航行。1744年イエズス会伝道団がカシキアレ川を発見,1800年には流域を広範囲にわたって探検,調査したドイツ人博物学者アレクサンダー・フォン・フンボルトもカシキアレ川がアマゾン,オリノコ両水系の連絡水路であることを確認。1860年までには汽船も就航したが,水源は 1951年になってようやく確認された。本流,支流を含めて古くから内陸部の住民にとって重要な交通路をなしてきており,今日でも特に氾濫時など,モータをつけたカヌーが唯一の交通手段となっている地域も多い。大型河航船は河口から約 1100km上流,コロンビアとの国境にあるアトゥレス急流部まで航行可能。また水路の浚渫により外洋船もカロニ川合流点まで約 360km遡航できる。流域の開発は,グアヤナ開発ベネズエラ公社のもとに,ギアナ高地の鉄鉱石,カロニ川の水力資源の開発などを中心に進められ,シウダードグアヤナには製鉄所,アルミニウム精錬所などが建設されている。流域には膨大なオイルサンドが埋蔵されている。
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