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アメリカニズム Americanism

翻訳|Americanism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アメリカニズム
Americanism

本来アメリカ風,アメリカ風の言葉づかい,アメリカ人気質などの意味に用いられていたが,いつしかアメリカ的な思考,アメリカ的文化,アメリカ的民主主義精神などの意味で使用されるようになった。ところがこうしてアメリカ的なものを強調する結果,アメリカニズムは異端排除や忠誠審査のために有力な機能を果すようになった。また第2次世界大戦後は,社会主義や共産主義を非アメリカ的として弾圧する役割を演じはじめた。なお対外的にはアメリカナイゼーション Americanizationの推進力となっていることはいうまでもない。

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デジタル大辞泉の解説

アメリカニズム(Americanism)

米国人特有の習慣や気質。米国風。
アメリカ英語に特有な語法。米国語法。

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世界大百科事典 第2版の解説

アメリカニズム【Americanism】

1781年にジョン・ウィザスプーンが〈アメリカ英語〉の意味で用いたのがこの言葉の最初とされ,現在までその意味を保ってきているが,1797年,T.ジェファソンは合衆国の愛国主義の意味でこれを用い,世間的にはこの用法がひろまっている。 新世界に植民地を建設したピューリタンは,ヨーロッパを腐敗の地,アメリカを真のキリスト教の世界たるべき地と見なした。一種の神国意識である。独立戦争は,さらにこの国が〈自由〉の地であるという信念を,アメリカ人の間に燃え上がらせた。

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大辞林 第三版の解説

アメリカニズム【Americanism】

アメリカ風。
アメリカ人特有の気質。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アメリカニズム
あめりかにずむ
Americanism

このことばが最初に使われた18世紀末には、アメリカ英語をさす程度のものであったが、その後の社会発展のなかで、アメリカ合衆国に固有の価値観、信条、生活様式、政治諸制度の卓越性を強調する姿勢、さらに、これに同調しない者への政治的不寛容の姿勢をも意味するようになった。それには、この国が独立革命によって成立し、近代史上最初の共和国になったという事情がある。事あるごとに自由と平等に基づく建国の精神が顧みられ、旧世界に卓越する民主主義的諸制度が強調された。また、この国が移民とその子孫からなる多民族国家であることが、国民的統一のための共通なアメリカ人意識を育成する必要を生んだ。そのうえ不断に流入する移民の同化過程によってアメリカニズムは強固なものとなる。ことに、文化的背景を異にした南欧、東欧系移民の大量渡来する19世紀末になると、移民のアメリカ化はいっそう強化されて、主流をなすアングロ・サクソン系文化の優越性を強調し、これに合致せぬ者を排斥、差別する風潮となった。
 対外的にはモンローの「孤立主義」として、また「マニフェスト・デスティニー」(明白な運命)にみられる選民意識となって西部への領土拡大を「劣等人種の指導」という「天命」によって正当化する姿勢となった。同じ姿勢は、アメリカが帝国主義的発展を遂げた19世紀末、キプリングの詩『ホワイトマンズ・バードン』(白人の責務)にみられるように、後進国に対する指導者としてのアメリカの使命を強調する海外膨張主義となった。
 第二次世界大戦後、アメリカニズムは、海外では「コカコーラニゼーション」Cocacolonizationや風俗のアメリカ化を意味したが、国内では冷戦下のマッカーシズムにみられる狂信的反共主義として姿を現す。共産主義から自己を優越的に峻別(しゅんべつ)し遮断する政治姿勢は、この国の伝統的価値への国民的熱狂を生み、人々を民主主義の神話の世界に住まわせ、これに同調せぬ者を「非米的(アン・アメリカン)」として糾弾するなど、思想統制のための政略上の道具と化したため、多くの批判を浴びた。[中島和子]

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