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アラワク

世界大百科事典 第2版の解説

アラワク【Arawak】

アラワク系の言語を話す部族の総称。その部族数は南アメリカで最も多く,同名の部族をはじめとして120を超える。居住地域は,北はアンティル諸島から南はウルグアイにまで及んでおり,アマゾン川下流に始まって最上流のアンデス東斜面に至るまで散在している。大まかにいえば,アマゾン川を遡行して一方はマナウスよりネグロ川沿いにコロンビア,ベネズエラに,他方は本流に沿ってペルー,ボリビア,あるいはマデイラ川沿いのブラジルに居住する部族が多い。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アラワク
あらわく
Arawak

南アメリカおよびカリブ海地域の先住民集団。広義にはアラワク語族に属する言語を話す数多くの集団の総称であるが、狭義には南アメリカ大陸カリブ海岸に住むロコノLoconoをさす。大アンティル諸島で最初に白人と接触したのはアラワクであったが、敵対していたカリブ系先住民およびスペイン人によってカリブ海地域からはほとんど駆逐されてしまった。現在のアラワクはアマゾン盆地周辺の広い地域に散在している。居住地は海岸(グアヒロGuajiro)、川の上流の熱帯雨林(カンパCampaなど)、草原(モホMojoなど)とさまざまであり、国家の力が及びにくい辺境の地が多い。定着して焼畑農耕を主たる生業としているが、狩猟、漁労も重要である。カリブ海のアラワクを除いては、村を超える大きな単位の政治組織はなく、各村の首長の権力もあまり強くない。ギアナのアラワクは食人を行ったといわれるが、アラワク全体に共通する特徴ではない。宗教においては、病気の治療を行うシャーマンが重要である。[木村秀雄]

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世界大百科事典内のアラワクの言及

【アメリカ・インディアン】より

…16世紀初頭,チブチャ族その他が首長とそれに近い近縁者を貴族層とする階層化した社会を成立させていた。カリブ海の島々は,キューバ島の一部にシボネイ族,大アンティルにアラワク語系,小アンティルからベネズエラにかけてカリブ語系の諸族が住んでいた。アラワク語系では,イスパニオラ島やプエルト・リコ島タイノ族が階層分化した社会を形成し,セミという独特の石彫や,球戯場や球戯用の石彫ベルト,刻文や浮彫の土器などをもち,灌漑を用いてマニオクやトウモロコシの集約的農業を営んでいた。…

【カリブ海】より

…15世紀末以来この地域は,近世以降のヨーロッパの発展と重要なかかわり合いをもちつつ,独自な歴史世界を形成,発展させてきた。1492年,コロンブスらの一行が最初のヨーロッパ人としてこの地域に到来した頃,これらの島々にはアラワク(もしくはタイノ),シボネイ,カリブと呼ばれる三つの先住民部族がいた。しかし大陸のアステカやマヤ,インカに比べてはるかに低い発展段階にとどまっていた彼らは,スペイン人による征服,苛酷な労役,さらにヨーロッパからもたらされた疫病などにより,急速にその数を減らし,スペイン人到来からほぼ1世紀後には小アンティル諸島やベネズエラ沿岸に残った少数のカリブ族以外はほぼ絶滅してしまった。…

【キューバ】より


【歴史】

[植民地時代の初期]
 キューバは1492年コロンブスの第1回航海中に〈発見〉された。スペイン人による征服以前のキューバ島にはシボネーCiboneyesおよびタイノTainosもしくはアラワクArawaksと呼ばれた原住民がいたが,比較的低い発展段階にあった彼らは,1511年にこの島に到来したスペイン人のD.deベラスケスが率いる遠征隊によって征服され,その後スペイン人による虐待や,彼らがもたらした疫病により,ほぼ1世紀後にはほとんど絶滅してしまった。スペインの植民地キューバは金の採掘によって一時繁栄したが,金が枯渇し,さらにスペイン人の植民活動の重心が大陸のメキシコやペルーに移動するにつれて,早くも16世紀半ばには停滞期に入ってしまった。…

【バルバドス】より

…そのほかの産業は観光,綿花栽培など。
[歴史]
 1518年スペイン人がバルバドスを〈発見〉した際,アラワク,シボネイと呼ばれる先住民のグループがいたが,その後18年間にイスパニオラ島へ奴隷労働力として彼らを強制移住させたため,36年には無人島と化した。1624年イギリス人が来島し,3年後居留地を建設した。…

※「アラワク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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