アルドラーゼ

化学辞典 第2版 「アルドラーゼ」の解説

アルドラーゼ
アルドラーゼ
aldolase

EC 4.1.2.13.可逆的なアルドール縮合反応を触媒する酵素ジヒドロキシアセトン-リン酸に対する特異性はきわめて高いが,アルデヒドに対する特異性は低い.分解を受ける基質としては,D-フルクトース1,6-ジリン酸,L-ソルボース1,6-ジリン酸,D-セドヘプツロース1,7-ジリン酸などがあげられる.このうち,D-フルクトース1,6-ジリン酸に作用して,ジヒドロキシアセトン-リン酸とグリセルアルデヒド3-リン酸とを生じる.解糖またはアルコール発酵経路上の重要な酵素である.酵母および動物,植物組織に存在し,酵母およびウサギ筋肉から結晶化された.これらの酵素は亜鉛Znを含み,キレート試薬で阻害されるものと,Znを含まず同試薬で阻害されないものとがある.[CAS 9024-52-6]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「アルドラーゼ」の意味・わかりやすい解説

アルドラーゼ
aldolase

ほとんどすべての生物に存在し,解糖系酵素の一員である。狭義にはフルクトース-二リン酸アルドラーゼのことを指す。フルクトース-1,6-二リン酸を開裂し,グリセルアルデヒド-3-リン酸とジヒドロキシアセトンリン酸を生成する。ウサギの筋肉から容易に結晶として得られ,分子量16万,4個のサブユニットから成る。高等動物や高等植物からの酵素をクラスⅠのアルドラーゼというのに対し,バクテリア,酵母,菌類などの酵素をクラスⅡのアルドラーゼと呼び,分子量は半分以下で2価の金属イオンを含む。広義には,類似の反応を触媒する酵素の総称として用いることもある。
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栄養・生化学辞典 「アルドラーゼ」の解説

アルドラーゼ

 [EC4.1.2]に属する酵素アルデヒドリアーゼの一般名で,アルドール縮合もしくはその逆反応を触媒する酵素.一般的には解糖系の酵素であるフルクトース-1,6-ビスリン酸アルドラーゼ[EC4.1.2.13](フルクトース-1,6-ビスリン酸トリオースリン酸リアーゼ(fructose-1,6-bisphosphate triose phosphate lyase))を指す.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルドラーゼ」の意味・わかりやすい解説

アルドラーゼ
aldolase

酵素番号 4.1.2.7。解糖系酵素の一種。フルクトース-1,6-二リン酸 (FDP) を切断して,ジオキシアセトンリン酸とグリセルアルデヒド-3-リン酸の2種の三炭糖リン酸にする酵素。癌などで血清中の活性が上昇することから臨床診断にも利用される。

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