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アルベルトゥス・マグヌス アルベルトゥスマグヌス

百科事典マイペディアの解説

アルベルトゥス・マグヌス

ドイツの神学者,スコラ学者,自然学者。ドミニコ会士,聖人。その名は〈大アルベルトゥス〉の意で,学の全領野にわたる博識のゆえに〈全科博士Doctor universalis〉とも尊称される。
→関連項目エックハルトスコラ学ドミニコ会マイモニデス

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アルベルトゥス・マグヌス
あるべるとぅすまぐぬす
Albertus Magnus
(1200ころ―1280)

中世のスコラ神学者。南ドイツシュワーベン出身。パドバ大学在学中に創立まもないドミニコ会に入り、その博学のゆえに「普遍的博士」doctor universalisとあだ名され、生存中から「偉大な者(マグヌス)」Magnusと尊称されるほどの権威を認められた。経験科学に深い関心を寄せ、つねに動植物・鉱物界の観察や天文学的研究を怠らず、この領域においては経験だけが確実性を与えるとして、アリストテレスの説であっても自らの観察結果に基づいて躊躇(ちゅうちょ)なく訂正した。彼は第一に神学者であったが、神学の研究と教育のためには、世界と人間に関する学、すなわち哲学が不可欠であり、そしてこのような世俗的学問に関してはアリストテレスが最善の教師であると確信した。この見地から、彼は「アリストテレス哲学のすべての部分をラテン世界の人間に理解可能なものたらしめよう」と計画し、アリストテレスのすべての主要著作の註釈(ちゅうしゃく)を書くことによって、この計画を実行に移した。パリ大学神学部教授(1245~1248)を務め、約2年間(1260~1261)レーゲンスブルク司教となったほかは、ケルンを本拠に著作と教育に従事し、同地で没した。
 アリストテレス哲学を積極的に評価したが、彼の体系においてはアリストテレスの学説が、新プラトン哲学やイスラムのアビケンナ(イブン・シーナー)に由来する要素と混在している。彼はその弟子トマス・アクィナスにみられるような、体系的に一貫した独創的な形而上(けいじじょう)学を生み出したのではない。しかし、彼の思想を折衷的と評するのは一面的である。彼の天才は、前述の経験科学における先駆的研究とともに、アリストテレスやイスラム思想が、アウグスティヌスを初めとする教父たちの伝統とは全く異質の財宝を含んでいることを見抜き、それを手中に収めようとする努力において発揮されたのであり、その積極的意義は見落とすことができない。[稲垣良典]

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