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アンセルムス アンセルムス Anselmus Cantaberiensis

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アンセルムス
アンセルムス
Anselmus Cantaberiensis

[生]1033. 北イタリアアオスタ
[没]1109.4.21. カンタベリー
カンタベリーの大司教ベネディクト会士,教会博士,聖人。スコラ哲学の父。その生涯は神学者として過ごしたル・ベク大修院時代と,政教対立のさなか教会の自由と権利のために献身したカンタベリー司教時代に分かたれる。

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アンセルムス
アンセルムス
Anselmus de Laon

[生]? ラン
[没]1117
スコラ哲学者。アウグスチヌスの伝えたプラトン主義および新プラトン主義の影響を受けた。普遍論争では実念論を支持。エリウゲナの影響下に命題集という形式を創始し,それはやがて大全という中世哲学の中核をなす形式に発展した。

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デジタル大辞泉の解説

アンセルムス(Anselmus)

[1033~1109]英国のスコラ哲学者。イタリアの生まれ。カンタベリー大司教。神の存在の神学的証明や、キリストによる贖罪(しょくざい)の理論化につとめ、スコラ学の父とよばれる。

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百科事典マイペディアの解説

アンセルムス

イタリア出身の初期スコラ学者,聖人,カンタベリー大司教(在位1093年―1109年)。ノルマンディーベック修道院に学び,のち院長。信仰を超自然的理性にも自然的理性にも固定することを排する〈知解を求める信仰〉がその神学のポイント
→関連項目スコラ学ヘンリー[1世]

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世界大百科事典 第2版の解説

アンセルムス【Anselmus Cantuariensis】

1033‐1109
初期スコラの神学者。北イタリアのアオスタに生まれ,長じてノルマンディーのベック修道院(ベネディクト会,クリュニー系)に入った。ここでランフランクスに学び,のちにその院長となる。1093年にカンタベリーの大司教に任ぜられ,死ぬまでその職にあった。ベックでの長い思索は,〈知らんがために信ず〉の原則に従って信仰と理性の動的連関を追求するものであった。アンセルムスは信仰を超自然的・非理性的に固定すること,また逆に自然的理性の中にとじ込めることのいずれをも退けて,神学固有の認識方法を立てたのであるが,その対象把握の深さと論証の厳密さとは比類なきもので,時代を超えて神学の模範となった。

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大辞林 第三版の解説

アンセルムス【Anselmus】

1033~1109) イタリア生まれのスコラ学者。カンタベリー大司教。信仰を前提とした上で、その根拠を純粋に理性的に探究する「知らんがために我は信ず」の立場をとり、神の存在証明を試みた。初期スコラ学の代表者の一。

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世界大百科事典内のアンセルムスの言及

【神の存在証明】より

…神の存在証明のなかには,われわれの倫理的経験をふりかえって,それが神の存在を実践的に要請することを示す倫理的証明と,経験的事物の存在から出発して,それとは根元的に区別される高次の実在――ふつう〈神〉の名で理解されているもの――に到達する形而上学的証明があり,哲学的関心の対象になるのはふつう後者である。このほかアンセルムスにさかのぼるア・プリオリ,もしくは〈本体論的〉と称せられる証明,すなわちわれわれが神について抱いている観念から直ちに神が必然的に存在することを結論しうる,という議論があり,こんにちでもその意味や妥当性をめぐって論争がある。経験から出発するア・ポステリオリ証明のうちで最も有名なのはトマス・アクイナスの〈五つの道〉であり,これは経験世界においてあきらかに認められる運動・変化,作動因の系列,存在の偶然・非必然性,完全性の段階,目的志向性などの事実から出発して,第一の動者,第一作動因,必然的存在,最高の存在,宇宙を統宰する知的存在であるところの神に到達する議論である。…

【キリスト教】より

…この神学の萌芽はオリゲネスとアウグスティヌスにあり,後者の《三位一体論》と《神の国》はあらゆる点で中世神学の基となった。11世紀のアンセルムスは《なぜ神は人となったか》において,従来明らかでなかった受肉と贖罪の連関を示した。彼の神学が自由の確立と意志の救いに向かっていたことは,教会と信仰の精神基盤がどこにあるかをよく示している。…

【キリスト教文学】より

…ザンクト・ガレンは11世紀初めに寺伝の有能な編者エッケハルト4世Ekkehart IV(980ころ‐1060ころ)をもった。つづいて冷厳な雄弁僧ペトルス・ダミアニ(《歌の中の歌》その他の作者)や,カンタベリー大司教であったランフランクLanfranc(1005ころ‐89),アンセルムスの両権威,なかんずくパリ大学に多くの聴講者を集めたアベラールとその論敵で当時教界の重鎮であったクレルボーのベルナールらが次代を代表する。ことにアベラールとその愛人エロイーズの悲痛な恋愛の物語は人々にあまねく知られ,2人が交換した多くの書簡,とりわけ第1の《わが不幸の物語》は,中世宗教文学に異彩を放っている。…

【キリスト論】より

…すでにアウグスティヌスは,キリストを預定された人々の頭(かしら)として,そこに救いの業の確かさを見た。アンセルムスは贖罪をキリスト受肉に結びつけ,贖罪は〈神人〉としてのキリストにおける神と人間の意志の一致によって起こるもので,それは単に神による悪魔の征服ではないと論じた。しかしカトリック教会は通常人間の自由意志の功績を認める功徳説や協働説をとるので,こうした考えを受け入れず,これを一面的な〈完償説theory of satisfaction〉としてかえって退けた。…

【自由意志】より

…ここにギリシア的な主知主義に代わるキリスト教的な主意主義が成立した。アンセルムスはこれを厳密に論じ,自由意志とは〈自由な選択〉ではなくて〈自由を選ぶこと〉であり,自由それ自体は人間の選択意志によって左右されない本質をもつとした。このように自由を選択意志に先行させることは意志の働きを弱めるものではない。…

【神学】より

…それゆえ神学は啓示認識,信仰認識といわれる。アウグスティヌス=アンセルムス的な定式〈理解を求める信仰fides quaerens intellectum〉はそれを表現している。また神と人間との関係として生起する啓示は,人間となった神,仲保者イエス・キリストによって現実化し,信仰はなによりもこのイエス・キリストに対する信仰であるから,神学の現実的出発点はイエス・キリストにある。…

【スコラ学】より

…狭い意味でのスコラ学は,カトリック教会の教義を信仰をもって受けいれたうえで,それを主としてプラトンおよびアリストテレス哲学の助けをかりて理解しようとする学問的努力を指す。この意味でのスコラ学の根本性格は,アンセルムスの〈知(理解)を探求する信仰fides quaerens intellectum〉という言葉によって表現されている。それは信仰と理性との統一・総合をめざす学問的企てであり,その成功と挫折の跡がスコラ学の歴史にほかならない。…

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