イコノグラフィー(その他表記)iconography

翻訳|iconography

デジタル大辞泉 「イコノグラフィー」の意味・読み・例文・類語

イコノグラフィー(〈ドイツ〉Ikonographie/〈フランス〉iconographie)

図像学。描かれた図像の持つ意味を判定する学問。古くは、ローマ時代の肖像画の主を判定する肖像学。18世紀以降はキリスト教美術の教義的内容を研究する学問であり、現在では、広く美術作品の意味を研究する。

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精選版 日本国語大辞典 「イコノグラフィー」の意味・読み・例文・類語

イコノグラフィー

  1. 〘 名詞 〙 ( [フランス語] iconographie [ドイツ語] Ikonographie )
  2. 古代学における肖像研究。
  3. キリスト教美術で、一定の表現形式をもつ神学的意味を明らかにする学問。また、広義には仏教美術なども含む美術の形式にあらわれている内容を明らかにする学問。→イコン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イコノグラフィー」の意味・わかりやすい解説

イコノグラフィー
iconography

図像学 (→仏教図像学 ) 。美術作品は一般に形式と内容の2面から成り立つと解されるが,特に図像の内容を記述,規定する学をいう。さらにそこに内在する本質的意味を形式との相関において解釈する学をイコノロジーという。イコノグラフィーはギリシア語のエイコン (像) とグラフェイン (描写する) から成る。古代では肖像画家 (エイコノグラフォス) なる名辞も用いられ (アリストテレスの『詩学』) ,ルネサンスでは古代の著名な人物の肖像に関する学 (Z.ウルジヌス,1569) とされた。他方ボッカチオの『神統記』以来古代の神々の像を記述し体系化する試みが行われる。 16世紀以後はカタコンベなどキリスト教古代美術の発掘,研究が盛んになり,19世紀には主としてこれらの記述,意味の規定をさすようになった (ディドロンの『キリスト教図像学提要』〈1847〉など) 。現代では E.パノフスキーによって提案された図像解釈の3段階の第2段階として定義される。ここでは特定の文化伝統の理解のうえに立って初めて把握される形像の意味内容の記述と体系化がいわれている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イコノグラフィー」の意味・わかりやすい解説

イコノグラフィー
いこのぐらふぃー
iconography

美術史の一研究方法で、図像の主題象徴を識別し、比較、分類するものであるが、これから発展したイコノロジー(図像解釈学)とともに、図像学ともよばれる。

[編集部]

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改訂新版 世界大百科事典 「イコノグラフィー」の意味・わかりやすい解説

イコノグラフィー
iconography

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百科事典マイペディア 「イコノグラフィー」の意味・わかりやすい解説

イコノグラフィー

図像学

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世界大百科事典(旧版)内のイコノグラフィーの言及

【図像学】より

…図像を記述,解釈する学。図像解釈学ともいう。iconographyとiconologyの語源は,ギリシア語のeikōn(肖像)+graphein(描く),logos(言葉,理法)である。古代には,著名人の肖像の記述,同定を意味した。西洋近世には象徴・寓意像(アレゴリー)の集成がこの名で呼ばれた(C.リーパ《イコノロジア》1593)。近世における,カタコンベ壁画など初期キリスト教美術の発見を機として,キリスト教図像の収集・解釈の努力が始まり,やがて反宗教改革期にはイエズス会修道士らもこれに加わった。…

【バロック美術】より

…バロックは人間の〈情念〉の描出にはじめて目ざめた時代であったといえよう。このため,法悦や苦悩,歓喜や親愛,怒りや憎しみなどを訴えかけるための新たなイコノグラフィー(図像体系)が誕生した。これは,アトリビュート(持物)やシンボルをもって観念を表現する16世紀までのイコノグラフィーに対する変革であり,バロックの最も大きな成果の一つである。…

※「イコノグラフィー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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