イチヤクソウ科(読み)イチヤクソウか(その他表記)Pyrolaceae

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イチヤクソウ科」の意味・わかりやすい解説

イチヤクソウ科
イチヤクソウか
Pyrolaceae

双子葉植物ツツジ目の1科で,いわゆる合弁花類に属する。北半球冷温帯から亜寒帯の森林中に生じ,3属 30種ほどが知られる。地下に根茎がはい,地上部は常緑多年生で,しばしば木化した茎をもつ。根生葉はロゼット状,茎葉は互生または輪生し,単葉で多くは全縁または低い鋸歯がある。茎頂に花序を出し,5または4数性の花をつける。花冠下部はまれに癒合,おしべは8~10本。ツツジ科と同様に, (やく) の先端に穴があって花粉を出す。めしべは1本,子房は4~5室になり,果となって多数の小さな種子を宿す。イチヤクソウ属 Pyrola,ウメガサソウ属 Chimaphilaなどがあり,無葉緑で腐生植物のギンリョウソウ属 Monotropaも通常この科にいれられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「イチヤクソウ科」の意味・わかりやすい解説

イチヤクソウ科
いちやくそうか
[学] Pyrolaceae

双子葉植物、合弁花類。小形の多年草または小低木。花は両性で、放射相称をなし、花弁は3~5枚、普通は離生する。子房は1または3~5室で上位につき、多数の胚珠(はいしゅ)がある。葉緑素のあるイチヤクソウ亜科と、腐生生活をし葉緑素のないギンリョウソウ亜科に大別される。北半球の温帯から亜熱帯にかけて約16属約75種が分布、日本にはイチヤクソウ属、シャジクソウ属など6属14種が分布する。

[高橋秀男 2021年4月16日]

 APG分類ではイチヤクソウ科のイチヤクソウ亜科とギンリョウソウ亜科はツツジ科に統合され、イチヤクソウ科は消滅した。

[編集部 2021年4月16日]

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