イブン・イスハーク(英語表記)Ibn Ishāq

  • 704ころ―767ころ
  • Ibn Isq
  • いぶんいすはーく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

[生]704頃.メジナ
[没]767頃.バグダード
イスラムの伝承学者。預言者ムハンマドに関する伝承を集大成して預言者の伝記を著わした。その原本は今日に伝えられていないが,イブン・ヒシャーム (834) が改訂してを付した『神の使徒の伝記』 Kitāb sīrat rasūl Allāhが残っている。タバリーをはじめ多くの歴史学者によって引用されており,ムハンマドに関する最良の史料である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イスラムの預言者ムハンマド(マホメット)の伝記の著者。この伝記は元来『(預言者の)戦記』とよばれた3部よりなる大著であったが、古くに散逸した。この原本の第2部と第3部を抜粋し注を付したイブン・ヒシャームIbn Hishm(?―833)の校訂版が『預言者の伝記』として今日まで伝わっている。本書は現在に至るまで、もっとも信頼できるムハンマド伝として権威を保っている。原著者イブン・イスハークの祖父は戦争捕虜としてメディナにきてイスラムに改宗し、著名な学者として知られた。著者の父もまた学者であった。著者自身は3代目の学者で、メディナで学んだのち、イスラム世界の各地を遊学し、バグダードで没した。[後藤 明]

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