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インゲンマメ

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栄養・生化学辞典の解説

インゲンマメ

 [Phaseolus vulgaris].マメ目マメ科インゲンマメ属のマメ.広く世界的に食用にされるマメの一種.若いものはさやを食用にする.

出典|朝倉書店
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食の医学館の解説

いんげんまめ【インゲンマメ】

《栄養と働き》
 豆の形も色もさまざまな種類があるインゲンマメは中南米原産で、17世紀なかばに隠元禅師(いんげんぜんじ)が中国から伝えたといわれ、その名がつきました。乾燥したものと、未成熟のものをさやごと食べるサヤインゲンがありますが、品種は異なります。
 インゲンマメには大きくわけて5種類があります。赤紫色であんや甘納豆(あまなっとう)に使われる金時(きんとき)類、白あんによく使われる白金時類、小粒で白い手芒(てぼう)類、独特の模様がついた虎豆類、中粒のうずら類です。
 地方によってサンドマメ、ニドササゲと呼んでいるところもあります。関西では、別種のフジマメをインゲンマメと呼び、本来のインゲンマメをサンドマメと呼ぶ人が多いようです。一方、関東ではインゲンマメをゴガツササゲ、トウササゲと呼び、本来のササゲと区別しています。ササゲは見た目も利用法もインゲンマメに似ていることもあり混同されがちですが、ササゲは別種の豆です。
〈種皮に含まれる食物繊維は、豆類のなかでもトップ
○栄養成分としての働き
 インゲンマメの主成分炭水化物たんぱく質で、種皮には大量の食物繊維を含んでいます。
 食物繊維は、腸内の有害物質を吸着して体外へ排出する働きやコレステロールの吸収を阻害する働きをするので、便秘(べんぴ)解消や大腸がん予防、動脈硬化を予防するといった効果が期待できます。
 また、ビタミンB1、B2も多く含まれており、疲労回復に効果的。カルシウム、鉄、カリウムなどミネラル類も豊富なので、高血圧症予防や貧血、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)予防にも役立ちます。
《調理のポイント
 調理する際は、水から煮てゆでこぼします。煮ると種皮がやわらかくなるので、煮豆やポークビーンズチリコンカンなどの煮込みに最適な食材です。
 ドレッシングにみじん切りの玉ネギやセロリパセリを加えてゆでた豆をマリネにすると、洋風の常備菜になります。
 食物繊維の不足が気になる人におすすめします。

出典|小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

インゲンマメ
いんげんまめ / 隠元豆
[学]Phaseolus vulgaris L.

マメ科の一年草。つる性で支柱に巻きついて1.5~3メートルとなる系統var. communis Asch.と、ツルナシインゲンとよばれる矮性(わいせい)で高さ30センチメートルほどの系統var. nanus Martensとがある。初生葉は単葉で対生、本葉は菱(ひし)形で長さ10センチメートルほどの小葉3枚からなる複葉で互生する。夏に、葉腋(ようえき)から花茎が伸び、2個から数個の5弁の蝶形花(ちょうけいか)を開く。花色は白、紅、紫色などがある。おもに自家受精をし、結莢(けっきょう)率は低く、暖地でも全開花数の10~40%といわれる。莢(さや)は長さ10~30センチメートル、幅1~2センチメートルで、黄褐色に熟す。種子(豆)は腎臓(じんぞう)形や長球形で、長さ1~2センチメートルで色彩の変化に富む。原産地はメキシコ中央部からグアテマラ、ホンジュラス一帯とされ、メキシコでは紀元前5000年ころに栽培されていた。16世紀にスペインに伝わり、17世紀末にはヨーロッパ全域に広まった。日本へは17世紀ころ、中国を経て渡来した。隠元禅師が伝えた豆との意味の名があるが、実際に禅師がもたらしたのはフジマメであるとされる。関西地方では、フジマメのことをインゲンマメとよび、一般にいうインゲンマメは、ゴガツササゲまたはサンドマメと呼び習わしている。
 多くの品種があるが、完熟した豆を食べる硬莢品種と、若莢を蔬菜(そさい)として利用する中・軟莢品種とに分けられる。豆用とするおもな品種名とその用途は、豆の色が紅または濃赤色の金時(きんとき)、昭和金時などは煮豆や甘納豆用、シロインゲンの大手芒(おおてぼう)、大福などは白餡(しろあん)や煮豆、白甘納豆用、縞斑(しまふ)模様のトラマメ、ウズラマメなどは煮豆用である。若莢用はサヤインゲンとよばれ、つる性のケンタッキーワンダーはドジョウインゲンや成倉(なりくら)の名で親しまれている。ツルナシインゲンではマスターピースなどがある。日本では豆用は90%以上が北海道で生産され、若莢用は日本各地でつくられる。[星川清親]

食品

乾燥したインゲンマメ100グラムでは、熱量は333キロカロリーであり、水分16.5グラム、タンパク質19.9グラム、脂質2.2グラム、炭水化物57.8グラムである。わが国の需要量の4分の3までが白餡用である。また、甘く煮つけたものは、日本料理の箸(はし)休めとして欠かせない。柔らかく煮るには、鍋(なべ)に多めの水を入れ、火加減に注意し、ゆでこぼすときも静かに扱うのがこつとされる。洋風のクリーム煮や、肉や野菜との煮込みなどにもよくあう。豚肉とトマト味で煮込んだアメリカのポークビーンズは有名。ほかに甘納豆などの和菓子の材料とする。
 若莢は、タンパク質、ビタミンA、B1、B2、Cを多く含み、栄養価の高い野菜である。筋(すじ)をとって湯がいてから、おひたしとするほか、種々の日本料理に利用する。また、油にもよくあい、バター炒(いた)めやスープなどに使うほか、肉料理に添える。缶詰や乾燥野菜とし、最近では冷凍ものの消費も伸びている。[星川清親]

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