インナー・シティ問題(読み)インナーシティもんだい

百科事典マイペディア 「インナー・シティ問題」の意味・わかりやすい解説

インナー・シティ問題【インナーシティもんだい】

都市が拡大する過程で都市の中心市街地,とくに都心外周をなす地域の住宅環境が悪化し,夜間人口が減少して,都市空間としての機能が低下する現象。都市の衰退として考えられている。日本でも東京や大阪などの大都市でその現象を見ることができる。人種問題やエスニック問題を抱える欧米では,さらに大きな社会問題となり得る。近年では,各都市でインナー・シティ問題の解決に向けて,都市の再活性化を進めるなどの取組みがなされてきている。
→関連項目都市都市問題ドーナツ化現象

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のインナー・シティ問題の言及

【都市問題】より

…さらに,社会的低所得層とみられた黒人たちよりいっそう条件の劣悪なスペイン語系,アジア系移民が合法・非合法で,ニューヨーク市をはじめフロリダ州,カリフォルニア州等の都市に大量流入しはじめた。都心部の中高所得層の白人が郊外・他都市へ流出し,そこに低所得者が集中し諸困難をもたらす都心部の問題(インナー・シティ問題inner city problems)が深刻化する。こうなると市の所得・経済活動(したがって市税収入)は減り,福祉の必要費用(生活保護費のみでなく,教育・医療費から犯罪多発に対する警察費等)は急増する。…

※「インナー・シティ問題」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android